かえてん

吐瀉糞家族と血縁を絶ち己の肝を抉っていたら、天庭にある豚箱へブチ込まれました。
ようやっと釈放されたところ、おんなのこちゃんと目深帽子さんが憔悴しきった私を迎えに来てくれました。
家族のしがらみから解放された清々しさ、久しぶりのシャバの空気の美しさに私は思わず「山紫水明やなあ。」と洩らしました。
すると、おんなのこちゃんがこちらを見て何かを思い出したかのように微笑みました。
彼女の仕草に、私の子宮は「仮面ライダーリバイスが判を押した時のような音」を立てながら疼きました。
そんな劣情抱き思う私に呆れ顔をしつつ、目深帽子さんはこう言いました。
「貴方、これからしたい事があったんじゃあないの。」
─全身、吐瀉糞家族への憎悪状態に落ちていた私は彼のその一言でハッと思い出しました。
「真の母様と父様に、私とおんなのこちゃんの婚姻の証人になってもらわなあかんねや。」
そう呟くと、おんなのこちゃんは頬を赤らめながら私の手をギュッと握りました。

「…ほんなら、行こか。」
私は新たな人生を背負い、亡き家族と故郷の人肌恋しい恐れのお山に別れを告げ、おんなのこちゃんと目深帽子さんと共に虹の先を目指してゆらゆらと歩を進めました。


今日も 明日も 明後日も 来週も 来月も 来年も 生きてこそ


天の庭にて 赤い背中の音楽遊戯奏者曰く