【PFSOZ】暗渠の星へ花束を【アラディア院】

※こちらの投稿は故人キャラの過去捏造が含まれます。交流があった事実等を強制するものではありません。基本的にパラレルだと思ってお読みください。
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誰かが遠くで咳でもするように小さな音で、パーケの履いていた靴が片方落ちた。
長椅子によじ登り、脚をばたつかせていたパーケは「う？」と首をかしげながら片方だけ涼しくなった足を見て、それから床を見下ろす。
幼い彼女にとっては、椅子の上だとしてもまだ大きな段差だ。気をつけながら覗き込んだ先で、夜色の四つ指が不思議そうに靴をつついている。
「それ、ぱーけの！」
パーケが思わず上げた声に、四つ指はびくりとして手を長椅子の下に引っ込めた。頭を下にしてパーケが座面の下を覗こうとすると、夜色の手の他に同じく星空を写し込んだような尻尾が、ずるりと引っ込む。
「おばけ！ ベッドのしたにいるの、えほんで見た！」
「おばけ　ちがう」
長椅子の下の怪物にはしゃいだ様な声を上げると、下からたどたどしい声が答える。
「おばけじゃない？」
「ちが　う。ウェルは　ウェル」
男とも女ともつかないが、子供の声がそう名乗る。長椅子の下の怪物はそれから、先程と同じ様に落ちたパーケの靴を掴むと、パーケの足に履かせ直した。
「ぱーけのくつ！ おかえり！」パーケがはしゃぎながら礼を言えば怪物は、
「……くつ。くつって　いいもの？」と感情のあまり乗っていない声で尋ねる。
「くつねぇ、すぐおっこっちゃう。でも、１人ではけたらはなまるまんてんなんだよ！」
「はな　まる」
「はなまるまんてん！ ぱーけにね、ぱぱがくれるの！」
「はなまる　まんてん。ぱーけに　あげるもの」
長椅子の下の怪物は、不可解そうに教えられた言葉を整理している。
「ぱーけだけじゃなくてね、だれでも、１人でできたら、はなまるまんてん！」
はなまるまんてん、と繰り返しながら、怪物はずるずると尾を長椅子の下から出したり、また戻したりしている。
パーケは迎えが来るまでにこにこと、その揺れる尾を眺めていた。

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『星覗き』のウェル【illust/102387184】と生前のパーケちゃん【illust/102599006】が出会って居たらいいなという与太話です。

＞＞僕たちは、５年前にアラディア院に来た捨て子芸人です！！＜＜

という最悪の共通点が発覚したので出してみたかった。などと意味不明な供述を繰り返しており動機は不明。時系列としては３年前くらいだと思います。
ウェルはアラディア院に来たばかりの頃は尾が生えていたり暗闇に引っ込んだりしていて、今よりも魔物じみた姿と行動をしていました。退治されなかったのすごい。アラディア院自由。