短時間挑戦 1565

 *さて、本日の短時間挑戦は飛行物体で御座います。
 御覧の通り奇妙な物体を背負った飛行機。
 その物体と微妙なアングルのお陰で骨を折り、お時間は21分という結果に。

 *本日の飛行機はサーブ社とフェアチャイルド社が共同開発したサーブ340AEWアーガスで御座います。
 不思議なことにもう一つの型式があり、その際はS100Bとなっております。
 一体何故こうなっているのかは私には解りません。

 ちなみに、アーガスとは100の目を持つ神話の登場人物なのだとか。
 アコンカグヤやヘカトンケイルなどの巨人族なのかしらねぇ。
 普通の神話で複数の目を持つ存在はそうそう描かれませんし。

 原型となる機体は36席を持つ旅客機でジェット機ではないにも関わらず440機が発注されたなかなかの傑作機。
 特筆すべき機能は騒音の発信源をマイクで拾い、その全く逆の波形を描く音をスピーカーより出力。
 これにより騒音の一つを完全に消去することで長時間の搭乗の祭でも疲労を極力感じさせない作りとなっているのだとか。
 この機能はレーダージャミングで使われる方法なのですが、同一騒音が常に起こる場所で希に騒音消去に使われていることもあるのだとか。
 巨大ボイラーが存在するホテル地下、線路脇の建物など。
 かなり特異な技術ですので、おいそれと使用はされていないそうですが、それでも一般人にも使用可能な次元の代物。

 この機体を改造した物がサーブ340AEWで、母国スウェーデン空軍ではS100Bアーガスと呼ばれております。
 兎に角真っ先に目に付くのが100目巨人の名の由来ともなった背中に背負った棒状の物体。
 これは巨大なアンテナで、エリクソンPS-890フェイズドアレイレーダーポッドと申し、高高度で450から500キロ。
 戦闘機クラスの目標物であれば330キロの距離で探知することが可能というとんでもない代物。
 棒状のレーダーの両脇から送受信を行っておりますので、前方、後方が死角となります。
 そして、左右それぞれ110度の索敵範囲を持ちます。

 元から長時間航行可能な旅客機を改造した物なので滞空時間は5から7時間とかなり長く、機内には当然おトイレやキッチンまで御座います。
 敵さんからすればこんな物が5から7時間も滞空していられると本当に目障り極まりないでしょうねぇ。
 330キロ手前から発見されればどうあがいても敵部隊や地域に致命傷を与えることは不可能。
 さらに、この機体は正にグリペンの為に生産されたと言っても過言ではない作り。
 索敵情報を随時デジタルで地上や戦闘機に送受信する司令塔の出先機関となります。
 正に早期警戒機の名に違わぬ働きで御座いますね。

 *本日の見学者さんはやはり哨戒と申せば山犬さんで御座いますね。
 最近すっかり新聞記者さんと化してしまった山犬さん。
 流石にこれでは本業に支障を来しかねないと思い、大天狗さんからとある航空ショーのチケットを渡されます。
 そこで出会った百目巨人の名を冠した鉄の鳥。
 心に響く物があった物の、思わずカメラを取り出し撮影を始めてしまう山犬さんで御座いました。

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2012-10-13 19:55

 ポテトサラダ


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