【千国大河】不浄の聖域【第四期】
◆こちらの企画様【illust/50050950】に新規家系お邪魔致します
◇不浄の聖域
かつて、魔王の統治に抗わんと、持てる魔力の全てを費やし聖なる気を高めた森があった。
草木に恵まれ、小鳥囀る地。“約束”を守りさえすれば来る者を拒まないその地は訪れる旅人を癒した。
聖域ソムヌス。人々は森をそう呼んだ。
そこはかつての聖域であった。
魔王が消えた。森は均衡を保てなくなった。
かつて命を癒した聖なる気は、今は毒となり森全体を覆っている。
この森で嘘を吐いてはいけない。この森で不浄は消えてしまう。初めから何もなかったかのように。
この森を語ってはいけない。不浄の静謐は感染する。不浄を吸い続けた聖域は、やがて
◇ソムヌスの守人 ユエ
数年前自我として目覚めた、病んでしまった森の精霊、森そのもの。
口調体型共に男性的だが、厳密には性別を持たない存在。
彼は己が狂ってしまったことを知らない。
命の気配のしなくなった森で、かつてのように訪れる人を待っている。
◆◆素敵な絆を結ばせて頂きました!時を告げる者 トバリさん【illust/53349996】
静謐の地に舞い降りた一羽の鳥。その姿を認めたとき、彼はするりとそのかいなを伸ばす。
彼女は何より、彼がながいあいだ渇望し続けた形だった。
「ああ、来てくれた。おかえり、待っていた。おいで、小鳥。そう、この傍らへ。この花をあげよう。だからそう、もっとこちらへ」
彼は嬉しかった。彼女がこの地に存在を続けることが。
ひとつひとつ、彼女の語る“夜”を知る内、願掛けはまた一つ、その結びを増やす。
命の到来を喜んだ彼は、いつしか彼女自身の存在を喜ぶようになっていた。
彼女の欲しいものを聞いた。彼はその願いをできうる限り叶えようとした。
それは傍から見れば狂気に満ちたものだったけれど、彼は気付かなかった。
「夜は好きだ。お前が私に教えてくれた時間だから。この先何があっても、夜が来ればお前に会えるのだろう」
それはひどく満ちて、何より彼が望んだ幸福でした。
◆◆
遠い異国の夜に思いを馳せているとき、彼ははたりと気が付きました。何故己は夜を知っているのだろう。
この森には誰も訪れていないはずです。まして、夜をもたらすような命は、なにも。
――はて、いつからか傍らにあるこの花は?
その花の存在を認めたとき、何故だか寂しいのです。何故だか 何もいない傍らが ひどくあたたかいのです。
彼は何もわかりません。下弦の月が頭の天辺に登った時間、その狂った時間に彼はぽつりと告げました。
「嗚呼、もうすぐ夜の帳が降りて来る」
◇絆について
性別や種族、恋愛の有無を問わず、素敵なご縁があれば幸いです。
国の性質上、前向きな方向へと繋がるご縁は難しいかなと考えています…また、婚姻の場合はバッドエンドあるいはメリバを希望しています。
お返事には〜3日ほどお時間を頂く場合がありますので予めご了承ください。
◇不浄の聖域
かつて、魔王の統治に抗わんと、持てる魔力の全てを費やし聖なる気を高めた森があった。
草木に恵まれ、小鳥囀る地。“約束”を守りさえすれば来る者を拒まないその地は訪れる旅人を癒した。
聖域ソムヌス。人々は森をそう呼んだ。
そこはかつての聖域であった。
魔王が消えた。森は均衡を保てなくなった。
かつて命を癒した聖なる気は、今は毒となり森全体を覆っている。
この森で嘘を吐いてはいけない。この森で不浄は消えてしまう。初めから何もなかったかのように。
この森を語ってはいけない。不浄の静謐は感染する。不浄を吸い続けた聖域は、やがて
◇ソムヌスの守人 ユエ
数年前自我として目覚めた、病んでしまった森の精霊、森そのもの。
口調体型共に男性的だが、厳密には性別を持たない存在。
彼は己が狂ってしまったことを知らない。
命の気配のしなくなった森で、かつてのように訪れる人を待っている。
◆◆素敵な絆を結ばせて頂きました!時を告げる者 トバリさん【illust/53349996】
静謐の地に舞い降りた一羽の鳥。その姿を認めたとき、彼はするりとそのかいなを伸ばす。
彼女は何より、彼がながいあいだ渇望し続けた形だった。
「ああ、来てくれた。おかえり、待っていた。おいで、小鳥。そう、この傍らへ。この花をあげよう。だからそう、もっとこちらへ」
彼は嬉しかった。彼女がこの地に存在を続けることが。
ひとつひとつ、彼女の語る“夜”を知る内、願掛けはまた一つ、その結びを増やす。
命の到来を喜んだ彼は、いつしか彼女自身の存在を喜ぶようになっていた。
彼女の欲しいものを聞いた。彼はその願いをできうる限り叶えようとした。
それは傍から見れば狂気に満ちたものだったけれど、彼は気付かなかった。
「夜は好きだ。お前が私に教えてくれた時間だから。この先何があっても、夜が来ればお前に会えるのだろう」
それはひどく満ちて、何より彼が望んだ幸福でした。
◆◆
遠い異国の夜に思いを馳せているとき、彼ははたりと気が付きました。何故己は夜を知っているのだろう。
この森には誰も訪れていないはずです。まして、夜をもたらすような命は、なにも。
――はて、いつからか傍らにあるこの花は?
その花の存在を認めたとき、何故だか寂しいのです。何故だか 何もいない傍らが ひどくあたたかいのです。
彼は何もわかりません。下弦の月が頭の天辺に登った時間、その狂った時間に彼はぽつりと告げました。
「嗚呼、もうすぐ夜の帳が降りて来る」
◇絆について
国の性質上、前向きな方向へと繋がるご縁は難しいかなと考えています…また、婚姻の場合はバッドエンドあるいはメリバを希望しています。
お返事には〜3日ほどお時間を頂く場合がありますので予めご了承ください。
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2015-11-09 10:43
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