短時間挑戦 2782
*さて、本日の短時間挑戦は飛行物体で御座います。
まるで空飛ぶブーメランの様で御座いますが、歴とした飛行機。
先としては大変シンプルなのですが、それ故にバランス取りが厳しく、加えてやはり本日も又単なる剥き出しの金属居たのみと言う構成。
それ故にそれらしく見せる為の塗装に骨を折り、お時間は22分という結果に。
*本日の飛行物体はNorthrop社のYB-35で御座います。
ステルス爆撃機などでもうお馴染みとなった全翼機ですが、やはり当時としては画期的で斬新なデザインであり、そして、この機体がその全翼機を実用化レベルにまで引き上げた物を初めて立体化した物となっております。
愛称はもう見た目その物のFLYING WING。
40年代に米陸軍航空隊に向けて開発されたレシプロエンジン爆撃機で御座います。
唯、この機体自体は試作機のみで終わり、49年に開発中止となりました。
ですが、後にB-2スピリットなどが生まれたように、この機体自体の研究開発は終了致しましたが、基本概念の研究は続行しておりました。
大型の全翼機としては実際に飛行を行った世界初の機体でもある当機。
半回転式の二重プロペラを装備したエンジンを4機搭載。
未だターボプロップですらなくレシプロエンジン方式。
41年米国は第二次大戦参戦前に欧州戦線用に10×10ボマー構想という物を立ち上げ、其れをメーカーに提示。
10,000 lbの爆弾搭載量があり10,000マイルの航続距離を持つ爆撃機と言う物なのだそうです。
そして、その候補の一つとしてB-35の開発契約を41年に締結。
理論上は速度が速く搭載量も多い。
当然翼のみなので使用する金属も少なく易く制作できると言った正に机上の空論。
ですが、それに頼らざるを得ない理由もあり、欧州戦線でイギリスが敗北した場合、米本土から枢軸国側を爆撃する為にどうしても大西洋を往復できる能力が必要であったそうです。
予定では42年制作開始、43年末頃には引き渡しの筈でした。
しかし、史上初めての全翼爆撃機制作の為にまずは3分の1サイズの試作機N-9Mから制作を開始。
この機体自体は42年末に初飛行を行っております。
特徴として左右の翼端に上下に割れるように開くスプリット・フラップを装備。
片方を作動させると査収の抗力差でヨーイング・モーメントを発生し左右への首振り運動を制御できるのだとか。
4機のエンジンは翼の前部に配置され、延長シャフトで後方の二重反転プロペラを動かす形に。
時速629キロで飛び7.3トンの爆弾を搭載して1万3120キロの航続距離を誇ったのだそうです。
ちなみに、機内は大変広いスペースが確保され、爆弾自体も23.2トンまで収納でき、中央部分では操縦席に加え引き込み式の対空機銃座、更には食堂や交代要員の仮眠室まで設けられたのだとか。
42年秋には全量産型が13機発注。
43年6月には量産タイプ200機を生産する契約が結ばれたそうです。
ですが、これ程までの機体でしたが、やはり技術的な問題が多数発生。
開発は遅れ、元々当社に生産設備がない為にマーチン社で生産する予定でしたが、実用化に時間が掛かり当初の予想よりも速度も航続距離も少ないという性能不足が予想されたそうです。
加えて大戦終結の見込みにジェットエンジンの発展とそれに伴うプロペラ機の旧式化もあって量産計画はやはり中止に。
唯、それでも全翼機の概念自体は注目に値する物であった為、研究用の開発は継続。
試作機が完成したのは45年7月であったそうです。
46年に初飛行を45分行った物の様々な問題が明らかに。
結局1号機は19回、2号機は8回飛行を行った後空へ上がる事はなかったそうです。
その間ギアボックスの不具合対応として2重反転プロペラを単なる通常の物へ。
これにより振動が発生する上に性能その物も大きく低下。
排気系統の整備も困難を極め、エンジンその物もわずか2年で金属疲労を起こしていたのだとか。
続くYB-35は13機生産され48年に初飛行。
しかし、結局振動問題等と言った技術的問題は殆ど解決されず、その上45年にはジェットエンジン換装型のYB-49の開発が開始されていた為こちらも結局開発計画は中止。
ちなみに、飛行したのはわずか1基で残りは部品取りやスクラップ、49へ改造と言った方向へ転換されました。
そして、その49ですが、一から設計せずにジェットエンジンを無理矢理乗せただけの代物であった為初飛行時には未来も見えた気が致しましたが飛行が不安定になり、加えて1機が墜落して搭乗者全員が殉職する事故まで発生したのだとか。
結局この全翼機が漸く成功するのはそれから40年も後の事でした。
*本日の見学者さんはやはり未来を先取りした物であった事もありカッパさんで御座います。
隙間を通って過去の時間へやってきたカッパさん。
其処でであった独特なデザインの鉄の鳥。
胴体が無く、唯翼のみで飛行する面白い考えの基に作り出されたその鳥はほんの僅かな時間しか飛行しなかった物の、カッパさんにとっては大変素晴らしい刺激となったようで御座います。
まるで空飛ぶブーメランの様で御座いますが、歴とした飛行機。
先としては大変シンプルなのですが、それ故にバランス取りが厳しく、加えてやはり本日も又単なる剥き出しの金属居たのみと言う構成。
それ故にそれらしく見せる為の塗装に骨を折り、お時間は22分という結果に。
*本日の飛行物体はNorthrop社のYB-35で御座います。
ステルス爆撃機などでもうお馴染みとなった全翼機ですが、やはり当時としては画期的で斬新なデザインであり、そして、この機体がその全翼機を実用化レベルにまで引き上げた物を初めて立体化した物となっております。
愛称はもう見た目その物のFLYING WING。
40年代に米陸軍航空隊に向けて開発されたレシプロエンジン爆撃機で御座います。
唯、この機体自体は試作機のみで終わり、49年に開発中止となりました。
ですが、後にB-2スピリットなどが生まれたように、この機体自体の研究開発は終了致しましたが、基本概念の研究は続行しておりました。
大型の全翼機としては実際に飛行を行った世界初の機体でもある当機。
半回転式の二重プロペラを装備したエンジンを4機搭載。
未だターボプロップですらなくレシプロエンジン方式。
41年米国は第二次大戦参戦前に欧州戦線用に10×10ボマー構想という物を立ち上げ、其れをメーカーに提示。
10,000 lbの爆弾搭載量があり10,000マイルの航続距離を持つ爆撃機と言う物なのだそうです。
そして、その候補の一つとしてB-35の開発契約を41年に締結。
理論上は速度が速く搭載量も多い。
当然翼のみなので使用する金属も少なく易く制作できると言った正に机上の空論。
ですが、それに頼らざるを得ない理由もあり、欧州戦線でイギリスが敗北した場合、米本土から枢軸国側を爆撃する為にどうしても大西洋を往復できる能力が必要であったそうです。
予定では42年制作開始、43年末頃には引き渡しの筈でした。
しかし、史上初めての全翼爆撃機制作の為にまずは3分の1サイズの試作機N-9Mから制作を開始。
この機体自体は42年末に初飛行を行っております。
特徴として左右の翼端に上下に割れるように開くスプリット・フラップを装備。
片方を作動させると査収の抗力差でヨーイング・モーメントを発生し左右への首振り運動を制御できるのだとか。
4機のエンジンは翼の前部に配置され、延長シャフトで後方の二重反転プロペラを動かす形に。
時速629キロで飛び7.3トンの爆弾を搭載して1万3120キロの航続距離を誇ったのだそうです。
ちなみに、機内は大変広いスペースが確保され、爆弾自体も23.2トンまで収納でき、中央部分では操縦席に加え引き込み式の対空機銃座、更には食堂や交代要員の仮眠室まで設けられたのだとか。
42年秋には全量産型が13機発注。
43年6月には量産タイプ200機を生産する契約が結ばれたそうです。
ですが、これ程までの機体でしたが、やはり技術的な問題が多数発生。
開発は遅れ、元々当社に生産設備がない為にマーチン社で生産する予定でしたが、実用化に時間が掛かり当初の予想よりも速度も航続距離も少ないという性能不足が予想されたそうです。
加えて大戦終結の見込みにジェットエンジンの発展とそれに伴うプロペラ機の旧式化もあって量産計画はやはり中止に。
唯、それでも全翼機の概念自体は注目に値する物であった為、研究用の開発は継続。
試作機が完成したのは45年7月であったそうです。
46年に初飛行を45分行った物の様々な問題が明らかに。
結局1号機は19回、2号機は8回飛行を行った後空へ上がる事はなかったそうです。
その間ギアボックスの不具合対応として2重反転プロペラを単なる通常の物へ。
これにより振動が発生する上に性能その物も大きく低下。
排気系統の整備も困難を極め、エンジンその物もわずか2年で金属疲労を起こしていたのだとか。
続くYB-35は13機生産され48年に初飛行。
しかし、結局振動問題等と言った技術的問題は殆ど解決されず、その上45年にはジェットエンジン換装型のYB-49の開発が開始されていた為こちらも結局開発計画は中止。
ちなみに、飛行したのはわずか1基で残りは部品取りやスクラップ、49へ改造と言った方向へ転換されました。
そして、その49ですが、一から設計せずにジェットエンジンを無理矢理乗せただけの代物であった為初飛行時には未来も見えた気が致しましたが飛行が不安定になり、加えて1機が墜落して搭乗者全員が殉職する事故まで発生したのだとか。
結局この全翼機が漸く成功するのはそれから40年も後の事でした。
*本日の見学者さんはやはり未来を先取りした物であった事もありカッパさんで御座います。
隙間を通って過去の時間へやってきたカッパさん。
其処でであった独特なデザインの鉄の鳥。
胴体が無く、唯翼のみで飛行する面白い考えの基に作り出されたその鳥はほんの僅かな時間しか飛行しなかった物の、カッパさんにとっては大変素晴らしい刺激となったようで御座います。
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2016-02-13 23:35
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