斯波　劔提督

カタリナ社日本局に所属する尾張宇宙皇国の提督、高級将校である。

大日本宇宙帝国の軍閥貴族「斯波家」が製造した人造人間「バイオロイド」で、当時の斯波家の当主の娘である「剣」が病弱のため、２４歳で他界し、これに悲しんだ当主が、娘と同じ外見の人造人間を作り、娘の人格を移したのが、「劔」である。斯波家は多くの名将を輩出してきた名門で「劔」は最初の製造段階から、過去の斯波家の名将の戦術や戦略をインプットされた将校になるべくして作られらた戦闘用人造人間で、過去の斯波家の数万年、数千人の将校の戦歴を受け継いでおり、たちまち、周辺の宇宙国家を支配する実力を持っていた。

斯波家は中部系の日本宇宙移民たちをまとめ、近隣宇宙諸国随一の工業集積地を作りあげ、宇宙船や自動車、航宙機、機動兵器などを製造する軍需産業を担った。
主な取引先は、【illust/56137521】斑鳩、【illust/66278200】古志、武蔵宇宙皇国などであるが、同時にライバルでもあり、しばしば経済的摩擦から軍事衝突が起きた。その際に総指揮官として
敵味方に多大な影響力を持っていたのが劔であり、その独特な癖の強い性格と強烈な戦闘能力は非常に恐れられていた。

反抗する同族や日本系列の宇宙国家を打ち破り中部系列の日本系列の宇宙国家を平定する。斯波家と尾張銀河団の覇権をめぐって、それまでも今河氏との宇宙抗争が続いていたが、天狭間宙域で敵の当主、今河義成の座乗する１０００ｍ級要塞艦「駿河」を討ち取り、勝利を掴んだ。
のち三河宇宙皇国の梅平氏との和睦を経て美濃銀河団攻略を開始し、有能な部下を縦横に使いこなし、８０００年をかけて美濃銀河団を攻略すると、日本局の名門軍閥貴族である清和氏の一門、義雅を擁して、日本局の京都銀河団に上洛を果たす。

この斯波氏の勢いを気に入らない日本局の名だたる宇宙国家系列の列強国家群、斑鳩宇宙皇国、古志宇宙皇国、【illust/56915754】黒聖セレネス超帝國、【illust/61492901】武揚宇宙守護国、【illust/61334292】槍倉宇宙守護国は、尾張宇宙皇国に対して、軍事行動を開始、しかし、斯波劔は自ら先陣を切って敵中に突入し、これをことごとく撃退、その勢いと軍事力センスに、他のカタリナ社宇宙勢力も劔提督の実力を認め、協力する勢力も多く存在し、朝廷からの勅命が下り、尾張宇宙皇国は日本局の列強勢力の一つとして組し、劔提督は「武衛宇宙軍」の大和宇宙朝廷直属の名誉ある役職を命ぜられ、斯波劔提督は将兵から「武衛様」「おやかたさま」「もののふのつるぎさま」「おつるぎさま」と呼ばれ、一目置かれていた。

傲慢で神をも恐れず、名誉を重んじ決断を内に秘め、戦術も巧みであり、戦術を立てる際に部下の進言を聞き入れることは滅多になく、自分の意見と合わないものや約束や規則を破る人が大嫌いで、その憎悪は執拗で、とても執念深く、自分と敵対するものに対して容赦なく、残忍・非道、やるときはとことんやる性格だった。

尾張の斯波宇宙艦隊に反抗した、宇宙仏教の比叡銀河団の延暦寺宇宙要塞は強大な僧兵艦隊を保有し、斯波宇宙艦隊を裏切った緋智宇宙艦隊を味方に付け、滋賀銀河で激突したが、斯波氏の直属配下の馬廻艦隊が電撃的な奇襲攻撃で、艦隊は撃滅、延暦寺宇宙要塞は陥落し、劔は僧侶、学僧、上人、児童の首をことごとく処刑したと言われている。

「ちか比ことのはもなき事にて、宇宙天下のため笑止なること、筆にもつくしかたき事なり」と甲斐宇宙皇国の宇宙最強の騎兵宇宙艦隊を保有していた軍閥貴族の武山氏は、斯波劔を「信長公の黄泉がえり」と評し、これを討つべく、「武山騎兵宇宙艦隊」を出撃、斯波の保有する「武衛第一艦隊」と長篠銀河で激突、斯波は、【illust/59061146】ハイドラ局からステルス要塞砲艦を２０００隻も極秘裏に取り寄せ、突撃する武山騎兵宇宙艦隊およそ、１０００万隻を一方的に撃破した。これ以後、武山氏は没落し、斯波家の傘下に入る。

斯波劔は、戦勝の宴会の席で敵将の武山氏が大事にしていた酒杯を武山氏の前で美味しそうに日本酒を飲み、嫌そうな顔をした武山氏にこういったと言う。

「かつて織田信長公は、敵将の髑髏に漆を塗った骸骨杯を披露したらしいが、私は信長公ではないから、そんなことはしない、武山氏は私を信長公の黄泉がえりと吹聴したらしいが、それは間違いであることを理解していただけたか？それとも私は武山氏の名誉を尊重して信長公と同じことをすればよいだろうか？」

その時の劔提督のひどく冷たいセリフは、斯波家の名だたる武将も震え上がったという。

斯波劔は、功績を立てた者や優れた者、忠実な者には、非常に信頼し、褒賞や、地位を気前よく与えるので、配下の将兵からは妙な人気があった。
趣味は、武芸鑑賞で宇宙中から武芸に達者な者を呼んだり、宴会したりするのが大好き。