【ポケフロ0】Loyalty【雷命アライブ】

「――上官、か」

言葉を口の中で小さく反芻する。

その言葉を発した当人といえば、
さきほどから目の前でダンジョン内の敵と戦闘を繰り広げている。
長い四肢と身体能力を生かした、ゾロアークらしい戦い方。
着実に敵を倒すその後姿は、先日まで姿を偽っていた奴とは思えない。
ましてや、上下関係を重んじるタイプとも、レオは思いもしなかった。

幼子の姿を偽ってまで、隠したいものがあったのか。
それとも、本当の姿でいたい何かがあったのか。
その背に背負うものも、彼が取りこぼしたであろうものも、
今のレオには推しはかることはできない。

ただ、これだけは分かるのだ。
正体を明かしてなお、この盗賊団に居続けていること。
行先を同じくすると宣言したその顔に、嘘偽りがなかったこと。

「…それだけ分かりゃぁ、言葉は無粋、か……ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」

言葉は発作で遮られ、レオは地面に膝をつく。
足の裏から這いあがる熱さにじりじりと体力を奪われる。
動悸を抑えるように胸を掴み、痛みと熱さを歯を食いしばりやり過ごす。
冷汗とも分からない汗が地面へと落ちた。

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「――なら俺は　貴方の歩みを止めません」

膝をつき、低く下げられた頭(こうべ)。
以前どこかの元人が言っていた、「忠誠の誓い」。
左胸に手をあてるその仕草は、いつか聞いたそれのよう。

「俺の命も一緒に歩みます、上官」

上げられた視線はまっすぐに、その表情は真剣そのもので。
いつものふざけた態度は一体どこへやったのか。
その顔を見ていたら、問いだすのもすっかり忘れてしまった。
あぁ、そうだ。俺はずっと、これが欲しかったのだろう。
お前たちと共に歩む未来。ただそれだけを、ずっとずっと―――

■こちらの展開【前へ／illust/75083267】直後を進めつつ、
　インターバル時系列のこちら【未来を掴み取る為に／illust/74912929】に触れつつ。

上官呼びってやばくね？？

■お借りしました！
けい君【illust/74735318】

レオ【illust/72234575】