ギンギツネのふとした疑問

ショッピングモールにて…。
　
　
　
　
「これで一通り買い揃えたんじゃないかなー、ギンギツネ」
「いつも食材や香辛料の調達はキリンとジャッカルに一任してるから、久々に私達が行くとなると全部買い揃えたか不安になっちゃうわ」
「今一度確認してみて、足りないものが見つかったら私がすぐ買いに行くよ」
「そうしてくれると助かるわね、確認してみるわ」
「何も問題なければ、フードコートで昼食でも食べて帰ろうじゃないか」
「……あっ！タイリクオオカミ！」
「ん？どうしたんだい？」
「カレー屋の件で話があるんだけど……」
「ああ……2号店の話かい？まず何処に店を構えるかってところから考えないと……」
「ううん、違うの！内容としてはそれより結構重要なのよ……」
「重要……？せっかくだから言ってみてくれないか」
「じゃあ言うわね……多分、タイリクオオカミも薄々感づいてるかもしれないけど……」
「ん……？とりあえず頼むよ」

　
　
　
「私達のカレー屋の名前って、結局なに？」
　
　
　
　
「………えっ？名前……？？」
「ほら、よくよく考えたら名前ってまだ決まってないわよね……」
「いや……普通に“カレー屋”だと思ってたけど、そうじゃないのかい……？」
「ち、違うわ！ザックリ言うとカレー屋だけど、固有名詞が無いでしょ……？？」
「固有名詞……」
「たっ、例えば“ココイチ”とか“ゴーゴーカレー”みたいに！」
「………あっ、そういう事か！！」
「ねっ？把握できた？」
「言われてみればそうだね……ほら、“温泉のカレー屋”で浸透してたからさ、そこまで考えてなかったよ……」
「他の子達に店の名前を聞かれた時、答えられなくて悔しかったわ……もう開店して1年以上経ってるのよ……？」
「まさかこのタイミングでギンギツネに突っ込まれるとは思わなかった……私も店長としてまだまだかもしれないね……」
「私ももう少し早く気付けば良かったわ……2号店云々以前の話になってくるわね……」
「店の名前か～……う～ん……」
「とっ、とにかく店戻ったら緊急会議しましょう！」
「よし！名前の候補をある程度考えよう！！」