春時雨

(フォッコ)「・・・ずぶ濡れじゃん、」
(ニャビー)「・・・・・・お前かよ・・・」
　
今日は一日大雨、最悪な天気

(フォッコ)「・・・なんかそういうふうに言われるの久しぶりな気がする、
傘さしなよ、ほのおタイプにとって雨は天敵だよ」自分の傘にニャビーが入るように近づく
「探したよ、昨日探しても見つからなかったから学校ずる休みしちゃった」
(ニャビー)「探してくれなんて言ってねぇだろ・・・、」
(フォッコ)「・・・アシレーヌさんから聞いたよ、ニャビーのお母さんのこと、
いろいろ、辛いことがあったって・・・今も辛いんでしょ」
(ニャビー)「・・・、聞いたのかよ」
(フォッコ)「・・・うん」
(ニャビー)「それで何だ、バカにしに来たのか？・・・あんなことしてたやつが、悲しい目にあってザマァねぇって」
(フォッコ)「・・・なんでそう思うの？、これまで何日も一緒にいて、私がそんなこと考えるやつだと思ってたの？」
(ニャビー)「そもそもお前も悪戯っ子だろ」立ち上がってフォッコを睨む
(フォッコ)

「・・・、私のはみんなで楽しむためのイタズラだから・・・、ニャビーを馬鹿にする気なんてどこにもないよ・・・、何日も一緒にいたじゃん、ニャビーも少しだけど話してくれてたじゃん、・・・ニャビーにとって私は、・・・友達じゃなかったの？」
(ニャビー)「・・・・・・」
その言葉にうつむき少しの間黙り込む
「俺に、友達なんているかよ・・・ずっとそうだった・・・、何しようにもあいつに邪魔されて、誰かと仲良くなるきっかけなんかなかった、・・・俺には、母さんしかなかったんだ」
向きを変えて踏み出す、フォッコの傘から抜け出して
(フォッコ)「あっ、だめだよ！、傘に入らないと！」追いかける
(ニャビー)「ついてくんな！」
(フォッコ)「！」
(ニャビー)「・・・自分のことなんかどうでもいい
母さん、今回は助かったけど、次はどうなるかわかんねえんだ、もしかしたらもう・・・」
(フォッコ)「・・・ニャビー」
(ニャビー)「なんでなんだよ・・・」
(フォッコ)「・・・」
(ニャビー)「なんで、俺の大切なもんは、・・・消えていっちまうんだ・・・」
(フォッコ)「・・・・・・」何も言えない、ニャビーの辛さが、私にわかるはずがない
ずっと皆といられる私とは、違うから
(ニャビー)「だからもう、ほっといてくれ」
また歩き出す
(フォッコ)・・・・・・でも
走ってニャビーを抱きしめる
(ニャビー)「！、ついてくんなって言ってんだろ！」
(フォッコ)「嫌だ！ニャビーがいなくて、私すごく辛かった！！
ニャビーにはもういなくなってほしくないの！！」
(ニャビー)

急に雨の勢いが強くなる、それと同時に風の強さも増し

バキッ！！

(フォッコ)「あっ！傘が！」
傘が壊れちゃった
傘がないと雨を防げない　
(ニャビー)「おい！、このままじゃお前もびしょ濡れになんぞ、いいから離れろ！！」

このままじゃ2匹とも

とその時二匹を雨からかばうように誰かが覆いかぶさる
(アシレーヌ)「2匹とも、大丈夫！？」
(フォッコ)「！、アシレーヌさん」
たまたま通りかかったアシレーヌさんが助けてくれた
(アシレーヌ)「こんな大雨の中傘なしじゃ危険よ！、2匹とも私の側から離れないようにしてついてきて」
(ニャビー)「俺はいいよ！」
(アシレーヌ)「バカ！！」
(ニャビー)「！？」
「自分の命が危険なときに簡単にいいとか言っちゃだめよ！！」
(ニャビー)「・・・」

私達はアシレーヌさんの家に避難した
(アシレーヌ)「ふぅ、なんとか家についた、2匹とも大丈夫？」
(フォッコ)「・・・はい、なんとか」
(ニャビー)「・・・」
(アシレーヌ)「そう、良かった、急に雨強くなったものね、私もびっくりした
アシマリ、タオル持ってきて」
(アシマリ)「あ〜い！」
奥からアシマリがタオルを持って出てきた
(フォッコ)「あれ？、アシマリ・・・」
(アシマリ)「フォッコ、はい」タオルを差し出す
(フォッコ)「アシマリ、学校は？」
(アシマリ)「朝だけ熱出てて、それで休んでたの・・・あれ？そういうフォッコも」
(フォッコ)「！、いや、・・・私はちょっと色々あって」💦
(アシマリ)「へ〜・・・あっ！そっちもタオルだよ」
(ニャビー)「・・・・・・」
そっぽ向いて反応なし
(アシマリ)「？、どうしたの？」
(ニャビー)「・・・いらねぇ・・・」
(フォッコ)「・・・ニャビー・・・」💦
(アシマリ)「・・・ん〜！だめ！！、濡れた体はちゃんと拭かないとだめなんだよ！」
そう言ってアシマリは無理やりニャビーの体を拭き始める
(ニャビー)「!!!あっ！、ちょっ・・・やめ！！」Σ(ﾟДﾟ)
(アシレーヌ)「フォッコちゃん」
(フォッコ)「あっ、はい・・・」
(アシレーヌ)「なんとなく状況はわかるよ、今のニャビーくんをほっとけないんだよね」
(フォッコ)うなずく
(アシレーヌ)「そうだよね、
大丈夫、しばらくはこの家で預かって様子を見るから、安心して
フォッコちゃんもこの大雨の中だと危険だから、今日は泊まっていくといいよ」
(フォッコ)「・・・はい、そうします」