【華縁】篝 喜雨【三世代目】
華の由縁【illust/96568934】
◆ 篝 喜雨/かがり きう
半妖(付喪神・雨女)
女│16歳│157cm
角の傘屋に少女が弟子入りしたんだって。
以来、よく雨が降って傘が売れるものだから、店主は福がきたと喜んでいるけれど、何やら浮き世離れした子で……
はてさて、悪いものでなければいいがね──
──と噂されることもある、明朗快活な和傘職人(見習い)。
人形のような容姿とマイペースで独特な空気感を纏っていることが原因だが、他人の評価を全く気にしない。
老夫婦の営む傘屋で手作りの和傘に一目惚れし、そのまま弟子入りした行動力の塊。傘作りに関しては修行中の身だが、発想力と愛想のよい接客で小さな傘屋に貢献している。
根拠はないが、やたらポジティブ。
全てを前向きに解釈して生きているため、向けられる悪意には鈍感。気付いたところで「性格が違うのだから嫌われることもある」とあっさり考えている。
思い切りもよく、基本的に即断即決。初手で悩むことをしないため、後から問題にぶち当たることも多い。
雨女の血のせいか雨に降られる確率が高いが、お気に入りの傘が活躍するため、雨の日ほど外へ出掛ける。
ちなみに、雨が降れば空を見上げ、傘をさせば傘を見上げて歩くためよく転ぶ。
「ごきげんよう!とても素敵な雨空ですね!」
「突然の雨にお困りでしょうか? よければ私の傘を使ってくださいな。お気になさらず。私は雨に濡れるのも好きですから」
「その傘は習作と言いますか……商品価値はありませんが、今の絶妙に下手な私にしか作れない味のある傘なのです」
「失敗は成功のもとと祖父母も言っておりましたし。つまり、これは成功が見えたも同然なのでは!?」
「見てくださいな。転んだ拍子に綺麗な石を見つけました!」
「結婚しましょう!そうしましょう!あなたとなら、ずっと幸せでいられる自信があるのです!!!」
◇ 家族
父:宝楽【illust/98082286】
母:小夜さん【illust/98241478】
「お母様の作った服を着たお父様の人形に、私の作った小さな傘を持たせるのが夢なのです。きっと立派な職人になりますから、応援してくださいね!」
兄:瑞雨さん【illust/98743836】
「お兄様の手料理が早く食べたくて走ってきてしまいました!今日はあれが食べたいです、ふわふわのオムライス!」
◆ 素敵なご縁をいただきました!
手を取り合える生彩*瓜生 ゆうけいさん【illust/98773857】
山で道に迷ったある日のこと。
方向を見失ってしまった私の前に現れたのは、夕映えの少年。
鳥の鳴き声と木々の揺れる静かなさざめきの中、骨を象った装飾に藤の花を背負った彼と目が合って──その声の大きさに驚嘆した。
「…………まぁ、送ってくださるのですか? ありがとうございます、親切な方!」
「少し驚きましたけれど、声が大きいのは良いことでは……? 相手に言葉がしっかり届くということですから」
「普段から山で生活を? 日々どのように過ごされるのでしょう? やはり動物などもたくさん見かけたりします?」
ゆうけいと名乗った少年と、言葉を交わしながら山を下りる。
好奇心から尽きない問いかけにも、彼は元気よく答えてくれる。打てば響く朗らかな反応が心地よくて、とても楽しい時間だった。
近付く街並みを、残念に思うほどに。
「ゆうけいさんは、時おり街へもいらっしゃる? その時は、また私とお話ししてくださいな!」
是非、と快い笑顔で応じてくれたことが嬉しくて。
「ごきげんよう、ゆうけいさん!今日のご予定は?」
彼の姿を見掛ける度に、駆け寄った。
「ゆうけいさん、今日は海の話を聞かせてくださいな」
「山にはそのような光景が……? ご迷惑でなければ、今度連れて行ってくださいな!」
「今日は一緒にお散歩をしましょう? 街を一望できるとっておきの場所があるのです!」
彼との時間は素敵なものだった。
語られる自然の話は雄大で、街育ちの身には新鮮で心惹かれる出来事ばかり。初めて見る景色や植物には、和傘に取り入れたら映えるだろう綺麗なものもたくさんあった。
何より──そう、何より。
彼の溌剌とした言動は清々しく、自分らしく在るための努力を当然のことと笑顔で言い切る姿勢を眩しく思う。
「とても今更なのですが、もしや、ゆうけいさんは私より年上なのでは!? 私ったら、てっきり年下だとばかり……ゆうけいさんも勘違いを? では、おあいこですね!」
「今は新しいことに挑戦している最中なのです。上手く出来たら一番に報告しますので、応援してくださいな!」
「この呼笛を私に? 吹けばゆうけいさんが来てくださるなんて、まるでお守りのようですね!大切にします!!」
言葉を交わして笑い合う度に、彼の存在が日々に溶け込んでいく。
ふとした瞬間に彼の顔が浮かんで、素敵なことがあれば真っ先に聞いて欲しいと思う。
次はいつ会えるだろうか。会ったら何を話そうか。
考えるだけで胸が高鳴るのは、何故だろうか。
「さ、ゆうけいさん。今日は何をしましょう!?」
「こ、これが本物の河童……!!なんて愛らしいのでしょう!!!化鯨の姿……は、街では難しいですね。お天気の良い日に、一緒に海へ行きましょう!!!」
「実は私、お人形に加えて雨女の血も引いているのです。ゆうけいさんも雨がお好き? ふふっ、一緒ですね!!!」
彼のことを知る度に、私のことを訊ねられる度に、あたたかいもので胸がいっぱいになる。
同じものが好き。それだけのことが、とても特別に思える。
朝方に降る雨のように、爽やかでいて愁える不思議なこの気持ちを、何と形容すればいいのだろうか──。
「ゆうけいさん、聞いてくださいな!私、とても素敵なことに気がついたのです!!!」
彼と気持ちを共有できる喜びを、
彼に笑顔でいて欲しいという願いを、
彼の隣で笑える自分で在りたいという決意を、
きっと、世界は『恋』と呼ぶのだ。
◆ 不備などあればご連絡ください。
勇住邁進、山溜穿石。
歩みは決して止まることなく。
「あなたの隣を歩けることがたまらなく幸せで、
私を笑顔にしてくれるあなたの全てが愛しいのです!!!」
背景素材お借りしました【illust/94083748】
最終更新:22/06/17
◆ 篝 喜雨/かがり きう
半妖(付喪神・雨女)
女│16歳│157cm
角の傘屋に少女が弟子入りしたんだって。
以来、よく雨が降って傘が売れるものだから、店主は福がきたと喜んでいるけれど、何やら浮き世離れした子で……
はてさて、悪いものでなければいいがね──
──と噂されることもある、明朗快活な和傘職人(見習い)。
人形のような容姿とマイペースで独特な空気感を纏っていることが原因だが、他人の評価を全く気にしない。
老夫婦の営む傘屋で手作りの和傘に一目惚れし、そのまま弟子入りした行動力の塊。傘作りに関しては修行中の身だが、発想力と愛想のよい接客で小さな傘屋に貢献している。
根拠はないが、やたらポジティブ。
全てを前向きに解釈して生きているため、向けられる悪意には鈍感。気付いたところで「性格が違うのだから嫌われることもある」とあっさり考えている。
思い切りもよく、基本的に即断即決。初手で悩むことをしないため、後から問題にぶち当たることも多い。
雨女の血のせいか雨に降られる確率が高いが、お気に入りの傘が活躍するため、雨の日ほど外へ出掛ける。
ちなみに、雨が降れば空を見上げ、傘をさせば傘を見上げて歩くためよく転ぶ。
「ごきげんよう!とても素敵な雨空ですね!」
「突然の雨にお困りでしょうか? よければ私の傘を使ってくださいな。お気になさらず。私は雨に濡れるのも好きですから」
「その傘は習作と言いますか……商品価値はありませんが、今の絶妙に下手な私にしか作れない味のある傘なのです」
「失敗は成功のもとと祖父母も言っておりましたし。つまり、これは成功が見えたも同然なのでは!?」
「見てくださいな。転んだ拍子に綺麗な石を見つけました!」
「結婚しましょう!そうしましょう!あなたとなら、ずっと幸せでいられる自信があるのです!!!」
◇ 家族
父:宝楽【illust/98082286】
母:小夜さん【illust/98241478】
「お母様の作った服を着たお父様の人形に、私の作った小さな傘を持たせるのが夢なのです。きっと立派な職人になりますから、応援してくださいね!」
兄:瑞雨さん【illust/98743836】
「お兄様の手料理が早く食べたくて走ってきてしまいました!今日はあれが食べたいです、ふわふわのオムライス!」
◆ 素敵なご縁をいただきました!
手を取り合える生彩*瓜生 ゆうけいさん【illust/98773857】
山で道に迷ったある日のこと。
方向を見失ってしまった私の前に現れたのは、夕映えの少年。
鳥の鳴き声と木々の揺れる静かなさざめきの中、骨を象った装飾に藤の花を背負った彼と目が合って──その声の大きさに驚嘆した。
「…………まぁ、送ってくださるのですか? ありがとうございます、親切な方!」
「少し驚きましたけれど、声が大きいのは良いことでは……? 相手に言葉がしっかり届くということですから」
「普段から山で生活を? 日々どのように過ごされるのでしょう? やはり動物などもたくさん見かけたりします?」
ゆうけいと名乗った少年と、言葉を交わしながら山を下りる。
好奇心から尽きない問いかけにも、彼は元気よく答えてくれる。打てば響く朗らかな反応が心地よくて、とても楽しい時間だった。
近付く街並みを、残念に思うほどに。
「ゆうけいさんは、時おり街へもいらっしゃる? その時は、また私とお話ししてくださいな!」
是非、と快い笑顔で応じてくれたことが嬉しくて。
「ごきげんよう、ゆうけいさん!今日のご予定は?」
彼の姿を見掛ける度に、駆け寄った。
「ゆうけいさん、今日は海の話を聞かせてくださいな」
「山にはそのような光景が……? ご迷惑でなければ、今度連れて行ってくださいな!」
「今日は一緒にお散歩をしましょう? 街を一望できるとっておきの場所があるのです!」
彼との時間は素敵なものだった。
語られる自然の話は雄大で、街育ちの身には新鮮で心惹かれる出来事ばかり。初めて見る景色や植物には、和傘に取り入れたら映えるだろう綺麗なものもたくさんあった。
何より──そう、何より。
彼の溌剌とした言動は清々しく、自分らしく在るための努力を当然のことと笑顔で言い切る姿勢を眩しく思う。
「とても今更なのですが、もしや、ゆうけいさんは私より年上なのでは!? 私ったら、てっきり年下だとばかり……ゆうけいさんも勘違いを? では、おあいこですね!」
「今は新しいことに挑戦している最中なのです。上手く出来たら一番に報告しますので、応援してくださいな!」
「この呼笛を私に? 吹けばゆうけいさんが来てくださるなんて、まるでお守りのようですね!大切にします!!」
言葉を交わして笑い合う度に、彼の存在が日々に溶け込んでいく。
ふとした瞬間に彼の顔が浮かんで、素敵なことがあれば真っ先に聞いて欲しいと思う。
次はいつ会えるだろうか。会ったら何を話そうか。
考えるだけで胸が高鳴るのは、何故だろうか。
「さ、ゆうけいさん。今日は何をしましょう!?」
「こ、これが本物の河童……!!なんて愛らしいのでしょう!!!化鯨の姿……は、街では難しいですね。お天気の良い日に、一緒に海へ行きましょう!!!」
「実は私、お人形に加えて雨女の血も引いているのです。ゆうけいさんも雨がお好き? ふふっ、一緒ですね!!!」
彼のことを知る度に、私のことを訊ねられる度に、あたたかいもので胸がいっぱいになる。
同じものが好き。それだけのことが、とても特別に思える。
朝方に降る雨のように、爽やかでいて愁える不思議なこの気持ちを、何と形容すればいいのだろうか──。
「ゆうけいさん、聞いてくださいな!私、とても素敵なことに気がついたのです!!!」
彼と気持ちを共有できる喜びを、
彼に笑顔でいて欲しいという願いを、
彼の隣で笑える自分で在りたいという決意を、
きっと、世界は『恋』と呼ぶのだ。
◆ 不備などあればご連絡ください。
勇住邁進、山溜穿石。
歩みは決して止まることなく。
「あなたの隣を歩けることがたまらなく幸せで、
私を笑顔にしてくれるあなたの全てが愛しいのです!!!」
背景素材お借りしました【illust/94083748】
最終更新:22/06/17
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2022-06-01 15:11
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