【黎明航路】ウロ【第2期】
黎明航路【illust/100438853】に参加させて頂きます。
◇華硯 雨露 -カイェン・ウロ-
<炎の国/男/21歳/178cm/一人称:俺/二人称:キミ>
毒吸いの鬼である華硯家の当主の息子。炎の国の端にある高山の屋敷に住んでいる。
父親が当主を務めている為、筆売りとして繁華街に出ている事が多い。時折各国を転々とする事も。
・華硯家(毒吸いの鬼)【illust/101610977】
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11/26▽素敵なご縁を頂けました!
❖炎の国:深緋さん【illust/102827484】
炎の国での行商も一旦期間を空けようとその時は灰の国に来ていた。
郷国とは正反対の気候に足が遠のいては居たが、そろそろ更なる新規開拓も必要だろうと─…
頭では分かってはいたものの身を裂くような寒さに早々に別国を目指そうと思っていた矢先だった。
灰の国ではあまり見ないような、寧ろ親しみのあるような…同郷と思わしき姿恰好の女性に声をかけられた。
「?…えっと、薬師って俺の事…ですかね?何かすみませんけど…俺薬師では無いんですよね。
(何だ…?どっか悪そうだな。…でもこれくらいなら俺でも食べられそうか…?)」
「あー…もしかして体調悪かったりしません?キミくらいのなら…俺が食べられそうなんですけど」
「やっぱり。そう言う不調って薬でどうにかなるもんでもないですからね。キミが回復したなら良かった。
あー、そんな気にしなくていいですよ。大した事してないですし(俺も食事出来たし…)
…っと、まぁ…そうだな。これも何かのご縁ですかね。同郷のようですし…
俺は華硯雨露。炎の国に戻った際にはキミの店立ち寄らせてもらいますね」
最初は社交辞令もあったと思う。相手も商売人だった。きっとその場のノリが大きかっただろう。
でもどんな店なのか、どんな商売をしているのか…多少の興味はあった。
帰国後、ただただ気まぐれに誘われるかのように彼女の店を訪れていた。
「どうも。絶対に来いと言われたのでね…、ははっ、もしかして忘れちゃいました?」
「まぁ、来といてなんですけど。別にお礼とかはいいんですよ。ただキミがどんな商売をしているのか気になってね。
へ~、能力付与の出来る彫り師か…。あぁ、いやほんと、礼はいいんです…欲する能力も無いですし…
でも…キミの仕事や商売の話は聞いてみたいですね。
え…これから?そうですね…じゃぁ、果実酒の美味いとこでどうです?ははっ、分かりました。そこは奢られときますよ」
酒の席という事もあったからだろうか。気付けばあれやこれやと長い時間話していたように思う。
彼女の店の事、仕事の事…勿論自分の話もした。彼女が華硯の名を知っていた為、その辺りの話は早かった。
更に彼女からの提案は願ってもないものだったし、彼女の商魂逞しさに尊敬の念さえ抱いていた…こんなに若そうなのに…そう思っていた矢先だった。
妹くらいの年頃…いっても自身と同年代くらいだろうと思っていた彼女の年齢に思わず面を喰らって酔いも覚めていた。
「キミの店に俺の筆を…?しっかり固定客もあるキミの店に置けるのはでかいな…
ちゃんと"華硯"の名を出してくれるなら、こちらとしても願ってもない話だ!
150年も続いてれば─…いや…ん?ちょっと待って…キミの店ってキミが始めたんだよな…?
女性に聞くのも失礼かもしれないけど……え、キミ親父より年上なのか…?」
「182歳……いや、俺の一族も若く見えて歳いって─…いや、歳を重ねている人多いから
頭では分かってたつもりだったんですけどね…そうかキミも……いや、深緋さんもそうだったんですね」
それから彼女の店に薬塗り用の薬筆を置いてもらうようになり、行商でも声を掛けられる事が増えた。
何より彼女の手腕もあったのだろう、卸した筆は数日のうちに売り切れるようになり、納品の為彼女の店へ通う事も増えていった。
「もう売り切れたのか…?へー、流石150年の老舗は伊達じゃないですねぇ。
ははっ、茶化してなんかないって。深緋さん様様です…!
今日は持ち合わせがなくってね、5日以内にはまた数作っておくからさ。
え?じゃぁ、何しに来たのかって?…さぁ、どうだろうね?…筆の売れ行きどんなもんかなって思ってさ」
最初はビジネスパートナーとして気が合うんだと思っていた。
納品で度々彼女の店へ通うようになるのならと彼女の店で一緒に商売を始めた時もきっとまだそんな気持ちだったと思う。
元々好意的でなければ傍に居ようとは思わない性分だったし、知らず知らず彼女の傍に居る事が普通になっていた事に驚いた。
「俺さ、今のこの生活凄く気に入ってるんだよね。深緋さんがどう想ってるか知らないけどさ…
何かに壊されたり、誰かにとられたりするのだけは絶対無理っていうかさ……とられたくないんだよね。
だからさ、これからも一緒に居てくれない?傍に居て欲しい………伴侶としてって意味で」
いつからだっただろう…こんなにも人に対して欲を出すようになったのは…
「最初に会った頃の"お礼"ってやつ、覚えてる?そう、刺青施してくれるってやつ。……あれってまだ有効?
折角だから彫ってもらおうかと思ってね。いやいや、効能とか無い方。
ここ…薬指に消えない方の刺青残してくれない?」
「ははっ、深緋から先に言ったんじゃないか。"すっぴんは伴侶にしか見せない"って。
じゃぁ、今は俺だけには見せてくれるって事だろう?幻滅なんかする訳ないじゃん……
全部俺のものにしたいくらいなんだからさ…なんて…。」
「…この流れで言うとすげ~重いやつって思われそうだけどさ…、これ受け取ってくれる?
刺青のお礼。このピアス、うちでは昔から御守りみたいなもんでさ、深緋にも渡したかったんだ」
キミが傍に居ればいいなんて…それだけで最高だなんて…
そんな事、思う日が来るとは思わなかった。
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▼父:華硯 時雨【illust/101610977】
▼母:--
「心配ないって。騙し売りのような事はしてないから。下手に名を落とすような事はしないよ。
(まぁ、表向き怒りはするけど本気で止めてはこないし、親父も大概放任だよなぁ)」
▼妹:華硯 霖雨【illust/102865996】
「おっと…リン。見つかったか。
これは手厳しいねぇ、兄サマもこれでも家の事ちゃぁんと考えてるんだよ~」
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◆何か不備や問題等ありましたらご連絡頂けると幸いです。
◆キャプション随時更新予定。
◇華硯 雨露 -カイェン・ウロ-
<炎の国/男/21歳/178cm/一人称:俺/二人称:キミ>
毒吸いの鬼である華硯家の当主の息子。炎の国の端にある高山の屋敷に住んでいる。
父親が当主を務めている為、筆売りとして繁華街に出ている事が多い。時折各国を転々とする事も。
・華硯家(毒吸いの鬼)【illust/101610977】
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11/26▽素敵なご縁を頂けました!
❖炎の国:深緋さん【illust/102827484】
炎の国での行商も一旦期間を空けようとその時は灰の国に来ていた。
郷国とは正反対の気候に足が遠のいては居たが、そろそろ更なる新規開拓も必要だろうと─…
頭では分かってはいたものの身を裂くような寒さに早々に別国を目指そうと思っていた矢先だった。
灰の国ではあまり見ないような、寧ろ親しみのあるような…同郷と思わしき姿恰好の女性に声をかけられた。
「?…えっと、薬師って俺の事…ですかね?何かすみませんけど…俺薬師では無いんですよね。
(何だ…?どっか悪そうだな。…でもこれくらいなら俺でも食べられそうか…?)」
「あー…もしかして体調悪かったりしません?キミくらいのなら…俺が食べられそうなんですけど」
「やっぱり。そう言う不調って薬でどうにかなるもんでもないですからね。キミが回復したなら良かった。
あー、そんな気にしなくていいですよ。大した事してないですし(俺も食事出来たし…)
…っと、まぁ…そうだな。これも何かのご縁ですかね。同郷のようですし…
俺は華硯雨露。炎の国に戻った際にはキミの店立ち寄らせてもらいますね」
最初は社交辞令もあったと思う。相手も商売人だった。きっとその場のノリが大きかっただろう。
でもどんな店なのか、どんな商売をしているのか…多少の興味はあった。
帰国後、ただただ気まぐれに誘われるかのように彼女の店を訪れていた。
「どうも。絶対に来いと言われたのでね…、ははっ、もしかして忘れちゃいました?」
「まぁ、来といてなんですけど。別にお礼とかはいいんですよ。ただキミがどんな商売をしているのか気になってね。
へ~、能力付与の出来る彫り師か…。あぁ、いやほんと、礼はいいんです…欲する能力も無いですし…
でも…キミの仕事や商売の話は聞いてみたいですね。
え…これから?そうですね…じゃぁ、果実酒の美味いとこでどうです?ははっ、分かりました。そこは奢られときますよ」
酒の席という事もあったからだろうか。気付けばあれやこれやと長い時間話していたように思う。
彼女の店の事、仕事の事…勿論自分の話もした。彼女が華硯の名を知っていた為、その辺りの話は早かった。
更に彼女からの提案は願ってもないものだったし、彼女の商魂逞しさに尊敬の念さえ抱いていた…こんなに若そうなのに…そう思っていた矢先だった。
妹くらいの年頃…いっても自身と同年代くらいだろうと思っていた彼女の年齢に思わず面を喰らって酔いも覚めていた。
「キミの店に俺の筆を…?しっかり固定客もあるキミの店に置けるのはでかいな…
ちゃんと"華硯"の名を出してくれるなら、こちらとしても願ってもない話だ!
150年も続いてれば─…いや…ん?ちょっと待って…キミの店ってキミが始めたんだよな…?
女性に聞くのも失礼かもしれないけど……え、キミ親父より年上なのか…?」
「182歳……いや、俺の一族も若く見えて歳いって─…いや、歳を重ねている人多いから
頭では分かってたつもりだったんですけどね…そうかキミも……いや、深緋さんもそうだったんですね」
それから彼女の店に薬塗り用の薬筆を置いてもらうようになり、行商でも声を掛けられる事が増えた。
何より彼女の手腕もあったのだろう、卸した筆は数日のうちに売り切れるようになり、納品の為彼女の店へ通う事も増えていった。
「もう売り切れたのか…?へー、流石150年の老舗は伊達じゃないですねぇ。
ははっ、茶化してなんかないって。深緋さん様様です…!
今日は持ち合わせがなくってね、5日以内にはまた数作っておくからさ。
え?じゃぁ、何しに来たのかって?…さぁ、どうだろうね?…筆の売れ行きどんなもんかなって思ってさ」
最初はビジネスパートナーとして気が合うんだと思っていた。
納品で度々彼女の店へ通うようになるのならと彼女の店で一緒に商売を始めた時もきっとまだそんな気持ちだったと思う。
元々好意的でなければ傍に居ようとは思わない性分だったし、知らず知らず彼女の傍に居る事が普通になっていた事に驚いた。
「俺さ、今のこの生活凄く気に入ってるんだよね。深緋さんがどう想ってるか知らないけどさ…
何かに壊されたり、誰かにとられたりするのだけは絶対無理っていうかさ……とられたくないんだよね。
だからさ、これからも一緒に居てくれない?傍に居て欲しい………伴侶としてって意味で」
いつからだっただろう…こんなにも人に対して欲を出すようになったのは…
「最初に会った頃の"お礼"ってやつ、覚えてる?そう、刺青施してくれるってやつ。……あれってまだ有効?
折角だから彫ってもらおうかと思ってね。いやいや、効能とか無い方。
ここ…薬指に消えない方の刺青残してくれない?」
「ははっ、深緋から先に言ったんじゃないか。"すっぴんは伴侶にしか見せない"って。
じゃぁ、今は俺だけには見せてくれるって事だろう?幻滅なんかする訳ないじゃん……
全部俺のものにしたいくらいなんだからさ…なんて…。」
「…この流れで言うとすげ~重いやつって思われそうだけどさ…、これ受け取ってくれる?
刺青のお礼。このピアス、うちでは昔から御守りみたいなもんでさ、深緋にも渡したかったんだ」
キミが傍に居ればいいなんて…それだけで最高だなんて…
そんな事、思う日が来るとは思わなかった。
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▼父:華硯 時雨【illust/101610977】
▼母:--
「心配ないって。騙し売りのような事はしてないから。下手に名を落とすような事はしないよ。
(まぁ、表向き怒りはするけど本気で止めてはこないし、親父も大概放任だよなぁ)」
▼妹:華硯 霖雨【illust/102865996】
「おっと…リン。見つかったか。
これは手厳しいねぇ、兄サマもこれでも家の事ちゃぁんと考えてるんだよ~」
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◆何か不備や問題等ありましたらご連絡頂けると幸いです。
◆キャプション随時更新予定。
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2022-11-16 18:10
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