おそろいのネグリジェと、甘い夜

夜の帳が降り、部屋の中には柔らかなランプの灯りが揺れている。
ベッドの上に座る私たちは、ふわりと軽いシルクの感触を楽しんでいた。

「どうかな、アルトリア？」

私はくるりと身を翻し、お揃いのネグリジェを身につけた姿をアルトリアに見せる。
光沢のあるサテン生地が肌に馴染み、繊細なレースが女性らしさを際立たせるデザイン。
白のナイトドレスは、アルトリアの金の髪にも、私の黒髪にもよく映えていた。

「……とても、似合っています。」

アルトリアは少し視線を彷徨わせながら、頬を紅潮させていた。

「その、こういう……薄い衣服は、あまり慣れていないので……。」

照れくさそうに裾を指でつまみながら、もじもじとする姿が可愛い。
私はくすっと笑いながら、ベッドに座るアルトリアの隣へと滑り込んだ。

「じゃあ、これから慣れてもらわないとね。」

そう言いながら、私はアルトリアの肩にそっと寄りかかる。

「……っ。」

アルトリアは微かに息を飲み、私の髪に視線を落とす。
その反応があまりにも可愛らしくて、私は思わず彼女の頬をつついてしまった。

「もう、そんなに緊張しなくてもいいのに。私たち、夫婦なんだから。」

「確かにそうですが…」

アルトリアの顔が、一瞬で真っ赤に染まった。
夜の静寂の中、彼女の動揺がひしひしと伝わってくる。

「だって、本当のことだよ？」

私はくすくす笑いながら、アルトリアの手をそっと握る。
彼女の指先は、わずかに熱を帯びていて、鼓動の速さが伝わるようだった。

「ふふ、かわいい。」

「……もう。」

アルトリアは拗ねたように目を細めるが、やがて小さく息を吐き、穏やかに微笑んだ。

「貴女がそう言うのなら、私も受け入れます。」

そう言いながら、彼女は私の手を優しく握り返し、そっとベッドに身を横たえた。
私はその胸元に顔を寄せ、彼女の温もりを感じながら、ゆっくりと瞳を閉じる。

「アルトリアの匂い、好き……。」

「私です。貴女の香りは甘く……胸が高鳴ります」

彼女は私の髪を撫でながら、静かに囁いた。
二人の鼓動が、ぴたりと重なり合う。

「……ねえ、アルトリア。」

「なんですか？」

「これからも、ずっと一緒にいようね。」

「……もちろんです。」

アルトリアは私の手をそっと引き寄せ、そのまま指を絡める。

「貴女が望む限り、私はここにいます。」

柔らかな唇が、私の額にそっと触れた。

──私はこの温もりと、誓いを交わした日を思い出す。
婚姻とは形だけのものではない。私たちが共にあると決めた、その瞬間こそが本当の意味での結婚なのだから。