【千国大河】フォーマルハウト【第三期】
「母さんみたいになれたらよかったのにね」
「僕に何か。
…食事が気に入らなかったのなら謝るけど、それ以外は僕に聞かないでくれよ」
「はいはい、食べたいものがあるならはっきり言ってくれ。
僕は空気も、人の気持ちも読めやしないんだから」
千国大河【illust/50050950】
✫フォーマルハウト
女性 23歳 青の歴史書 Pt.50(STR.10/INT.2/DEX.25/ACI.0/LUX.13)
一人称:僕 二人称:君 156cm
所属国:グルーミティア トップ:【illust/52854545】
✫格付け国家 グルーミティアの宮廷料理人。
母が他国の種族である玻璃の民の血を濃く継いでいるものの、頭はあまり良くない。
その象徴でもある角には一応布を巻いている。
数代前の宮廷料理人であった父と同じように得意だが、他のことはてんで駄目。
器用貧乏な所がある。
無意識に料理を作っているので、気が付くと品数が二桁を軽く超える。
✫父:アークトゥルス
「父さんはへらへらしてるくせに人を嫌う。変な人だよね」
母:ピスキスさん【illust/52489852】
「母さんって父さんのどこが好きなの?顔?性格?それともごはん?
…ふふ、うそうそ、びびっ!と来たんだろう?聞いた聞いた」
兄:ガラクシさん【illust/52817826】
「僕と違って、兄さんは頭がいいから、きっと料理だって出来ると思うんだけどな」
❤絆:婚姻
樹神 葵丸さん【illust/52813069】
父は数代前の宮廷料理人で、母は他国から来て、父に胃袋を掴まれ心を奪われたらしい。
僕にはそういうの、縁がないだろう。
きっとぼーっと料理だけして、年を取っていくんだろうなって思っていた。
たしかに母さんの血筋で、僕は寿命がとても長い。
でもどうせ50歳までしかテストを受ける資格はない。
早くも老後に思いを馳せてしまっていたものだ。
そんな日のこと。
旅をしているという男性が僕の元を訪れた。
聞き慣れない名前の音、コダマアオイマル、あおいまる、葵丸。
漢方、というものを取り扱うらしい彼は、それを料理に取り入れてほしいという。
「…初めまして、僕が今代の宮廷料理人のフォーマルハウトだ。長いだろ、ハウトでいいよ。
たしかに僕は料理はとても得意だ。だけど、本当に料理"しか"出来ない。
自慢じゃないが頭はてんで良くないから、君が望むように出来るかはわからない」
「食事は人の体を作る最も大切なものだ。そこに、その身体に良いものを取り入れる。
僕にも効率的な手段だと分かる。……僕で良ければ是非手伝わせてくれ」
薬膳。
言葉の通り並べてみると、薬の食事。
病人が食べるものなのか、と葵丸に聞くと一概にそうとは言えないらしい。
細かなことは耳をすりぬけてしまったのだが、とりあえず体に良い食事になるはずらしい。
まずは口にしてみないと何も始まらない。
干からびた一つをそのまま口にしようとすると、葵丸が焦った様な声で止める。
口に出来ないようなものなのか、と尋ねれば、僕が手にしたそれは酷く苦いのだという。
薬として煎じて飲む分ならまだいいが、単品で、しかもそのまま食せばあまりにも不味いのだと。
そんなものを料理にしてしまおうというのか。
だが、料理をするものとして、僕に好き嫌いはない。
葵丸の静止を無視し、口に投げ入れると、口いっぱいに食物とは思えないような苦味が広がる。
思わずえずいてしまいそうになるが、なんとか咀嚼し、飲み込む。
なるほど、確かにこれは敬遠される。
試行錯誤を繰り返して、葵丸に試食を頼む。
どうやら葵丸の苦手な食材があるらしい、渋い顔をしつつも感想を述べてくれる。
改善を繰り返すと、少しずつあの独特な苦味を緩和させることが出来るようになってきた。
「…良かった。頑張った甲斐があったよ。
料理は見た目じゃないけど、眼で見て、食べて美味しいものがいいだろう?
身体によければ尚良い、君に喜んでもらえて、…その、嬉しい」
どうにも、嬉しそうに笑う葵丸を見ているとこそばゆい。
隣に並んで味や栄養価について話していると、他の男の人は気にならないのに、葵丸だけつい意識してしまう。
どうにも動悸がするようだ。困った。
風邪なんてひいてしまったら料理しか出来ないのに、それすら出来なくなる。
いや、葵丸の横でなければ、どうということないのだ。
何故なのか、今の僕にはあまりわからないけれど。
目の前には、どこか真剣な顔をした葵丸がいる。
何故だろう、真っ直ぐ見ることが出来ない。
「あの、大切な話なのはわかるんだ、ごめん、あの。
こっちを見ないでほしい。君に見られると、大事な話も耳に入らない。
あの、でも、僕も、君の力になりたいよ。
僕の時間はまだ随分長いけど、君に使ってほしい。
上手く笑えているかな、あまり自信はないんだけど、そっか、笑えてるか。
君にそう言われると、笑ってみるのも悪くないなって思うんだ」
この動悸が何なのか、君ともっと一緒に居たら、ちゃんと分かると思う。
だから側に置いてくれ、風邪も、きっと治るから。
キャプション変更随時
好き、好きなんだ。
これはきっと、僕は葵丸のことが、好き。
動悸も、風邪も違う。ね、そうなんだろう。
……だいすきだよ、葵丸。
「僕に何か。
…食事が気に入らなかったのなら謝るけど、それ以外は僕に聞かないでくれよ」
「はいはい、食べたいものがあるならはっきり言ってくれ。
僕は空気も、人の気持ちも読めやしないんだから」
千国大河【illust/50050950】
✫フォーマルハウト
女性 23歳 青の歴史書 Pt.50(STR.10/INT.2/DEX.25/ACI.0/LUX.13)
一人称:僕 二人称:君 156cm
所属国:グルーミティア トップ:【illust/52854545】
✫格付け国家 グルーミティアの宮廷料理人。
母が他国の種族である玻璃の民の血を濃く継いでいるものの、頭はあまり良くない。
その象徴でもある角には一応布を巻いている。
数代前の宮廷料理人であった父と同じように得意だが、他のことはてんで駄目。
器用貧乏な所がある。
無意識に料理を作っているので、気が付くと品数が二桁を軽く超える。
✫父:アークトゥルス
「父さんはへらへらしてるくせに人を嫌う。変な人だよね」
母:ピスキスさん【illust/52489852】
「母さんって父さんのどこが好きなの?顔?性格?それともごはん?
…ふふ、うそうそ、びびっ!と来たんだろう?聞いた聞いた」
兄:ガラクシさん【illust/52817826】
「僕と違って、兄さんは頭がいいから、きっと料理だって出来ると思うんだけどな」
❤絆:婚姻
樹神 葵丸さん【illust/52813069】
父は数代前の宮廷料理人で、母は他国から来て、父に胃袋を掴まれ心を奪われたらしい。
僕にはそういうの、縁がないだろう。
きっとぼーっと料理だけして、年を取っていくんだろうなって思っていた。
たしかに母さんの血筋で、僕は寿命がとても長い。
でもどうせ50歳までしかテストを受ける資格はない。
早くも老後に思いを馳せてしまっていたものだ。
そんな日のこと。
旅をしているという男性が僕の元を訪れた。
聞き慣れない名前の音、コダマアオイマル、あおいまる、葵丸。
漢方、というものを取り扱うらしい彼は、それを料理に取り入れてほしいという。
「…初めまして、僕が今代の宮廷料理人のフォーマルハウトだ。長いだろ、ハウトでいいよ。
たしかに僕は料理はとても得意だ。だけど、本当に料理"しか"出来ない。
自慢じゃないが頭はてんで良くないから、君が望むように出来るかはわからない」
「食事は人の体を作る最も大切なものだ。そこに、その身体に良いものを取り入れる。
僕にも効率的な手段だと分かる。……僕で良ければ是非手伝わせてくれ」
薬膳。
言葉の通り並べてみると、薬の食事。
病人が食べるものなのか、と葵丸に聞くと一概にそうとは言えないらしい。
細かなことは耳をすりぬけてしまったのだが、とりあえず体に良い食事になるはずらしい。
まずは口にしてみないと何も始まらない。
干からびた一つをそのまま口にしようとすると、葵丸が焦った様な声で止める。
口に出来ないようなものなのか、と尋ねれば、僕が手にしたそれは酷く苦いのだという。
薬として煎じて飲む分ならまだいいが、単品で、しかもそのまま食せばあまりにも不味いのだと。
そんなものを料理にしてしまおうというのか。
だが、料理をするものとして、僕に好き嫌いはない。
葵丸の静止を無視し、口に投げ入れると、口いっぱいに食物とは思えないような苦味が広がる。
思わずえずいてしまいそうになるが、なんとか咀嚼し、飲み込む。
なるほど、確かにこれは敬遠される。
試行錯誤を繰り返して、葵丸に試食を頼む。
どうやら葵丸の苦手な食材があるらしい、渋い顔をしつつも感想を述べてくれる。
改善を繰り返すと、少しずつあの独特な苦味を緩和させることが出来るようになってきた。
「…良かった。頑張った甲斐があったよ。
料理は見た目じゃないけど、眼で見て、食べて美味しいものがいいだろう?
身体によければ尚良い、君に喜んでもらえて、…その、嬉しい」
どうにも、嬉しそうに笑う葵丸を見ているとこそばゆい。
隣に並んで味や栄養価について話していると、他の男の人は気にならないのに、葵丸だけつい意識してしまう。
どうにも動悸がするようだ。困った。
風邪なんてひいてしまったら料理しか出来ないのに、それすら出来なくなる。
いや、葵丸の横でなければ、どうということないのだ。
何故なのか、今の僕にはあまりわからないけれど。
目の前には、どこか真剣な顔をした葵丸がいる。
何故だろう、真っ直ぐ見ることが出来ない。
「あの、大切な話なのはわかるんだ、ごめん、あの。
こっちを見ないでほしい。君に見られると、大事な話も耳に入らない。
あの、でも、僕も、君の力になりたいよ。
僕の時間はまだ随分長いけど、君に使ってほしい。
上手く笑えているかな、あまり自信はないんだけど、そっか、笑えてるか。
君にそう言われると、笑ってみるのも悪くないなって思うんだ」
この動悸が何なのか、君ともっと一緒に居たら、ちゃんと分かると思う。
だから側に置いてくれ、風邪も、きっと治るから。
キャプション変更随時
好き、好きなんだ。
これはきっと、僕は葵丸のことが、好き。
動悸も、風邪も違う。ね、そうなんだろう。
……だいすきだよ、葵丸。
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2015-10-01 01:54
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