古代世界の片隅に

前7世紀にフェニキア人が建設したレプティス。重税により発展は一時滞るも黄金時代がやってくる。ローマの到来、流入する富と人々、続々と建設される公共施設。やがて街は自らが生んだ1人の皇帝と幼馴染によって最盛期を迎える。次回、古代ふれあい街歩き「市民の笑顔輝く、レプティス・マグナの賑い」
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時空跳躍装置起動、レプティス・マグナへの転送を開始します。
目標年代…紀元220年±5。座標32°38'07.7"N 14°17'20.7"E…
警告、担当者はクラスⅣ以上の安全シールド使用が義務付けられています。
転送開始……良き旅を!!………

そういう感じで。前回から時間が大分経ちましたが、古代ローマの時代、北アフリカにあったレプティス・マグナという街の賑わいを描いてみました。四面門はwikipediaの写真を参考にしてますが実に形状が複雑ですな。見直してみたらたぶんセプティミウス・セウェルスの凱旋門とトラヤヌスの凱旋門の位置を取り違えてる……何というミス（後方に劇場が見えるのは後者）。

元は前7世紀（前6世紀?）にフェニキア人が建設した街だそうですが、現在も遺跡が残る壮麗な都市へと発展したのはローマの時代になってからであるようです。2世紀にはトラヤヌス帝の治世において多くの富と人々が流入し、浴場や凱旋門が建設されました。レプティス・マグナ出身のセウェルス帝の時代になると都市は最盛期を迎え、フォルムやバシリカの建設、さらなる区画拡張が行われ、港湾の改造のために200mの堰でレブダ川の流れを変えるなど、大規模な土木工事が実行に移されました。都市の面積は435haに達し、人口は10万に増大、北アフリカ有数の大都市として発展を遂げました。この都市が衰えたのは4世紀後半、ローマが衰退の兆しを見せ始めた頃とのことです。

長さ450m、2万3000人収容の競馬場、1万5000人収容の闘技場、劇場に大浴場、フォルムに体育場、そして二本の防波堤と灯台及び信号所を備えた10万2000㎡の港湾施設等々、充実した設備の数々を見ているとローマ人のどこへ行っても快適で効率的な都市を建設しようとする意志や理想をまざまざと見せつけられる様に思います。

気になる遺跡がある場所は大抵紛争で荒廃したり、治安がよろしくないのが残念ですな。

参考資料：鳥瞰図で見る古代都市の世界