ホーカー ヒューリー

 ホーカー社は英航空省が1927年に出した仕様書F20/27に基づく機体として、空冷エンジン 搭載の複葉戦闘機を提示したが、この機体は生産契約を受けることができなかった。その後、ホーカー 社は成功作となるハート軽爆撃機を 完成させ、その設計を流用し単座戦闘機原型(ホーネットと名付けられた)を自社負担で完成させた。
 この原型機に、同社の設計技術者であるシドニー・カム[Sydney Camm]は液冷エンジンを搭載して空力 的に洗練を加えたため、飛行性能は格段に向上した。1930年初頭に英航空省はこの原型機を元にし た機体を21機発注し、フュアリの名称を与えた。
 1931年3月に初飛行したフュアリの初期生産型は、同年5月に第43飛行隊に配備され、英空軍 で初の最高速度200マイル/時を越える戦闘機となった。上下翼幅の異なる単張間複葉機で、金属製 構造に布張り(機体前部は金属板張り)固定脚の機体であった。
 その後、ハリケーンが就役するよ うになると、当機は順次これと交代していったが、第二次大戦勃発後も一部の機体は訓練任務などに従事 していた。また、海外にも多数(総生産機の半数以上)が輸出されており、ユーゴスラビア軍の機体や 南アフリカ軍の機体は、ドイツやイタリアといった枢軸軍の戦闘機と果敢に戦っている。
 なお、第二次大戦中に開発され、大戦末期に完成した同名 の機体があるが、これ と混同しないよう注意が必要である。

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2020-07-13 19:31

 rakku666


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