対戦相手、変更!!
――Lemon BOXINGまであと2週間を切り、シェリージムの面々もその空気がピリッとしたものに既に変わっていた…。しかしその空気はあっさりと打ち砕かれる…。一本の電話によって…。
SE:📞(電話が鳴る音)
幸弥:「お電話ありがとうございます!! シェリージム・キャスティングマネージャー、石原が承ります。・・・・・、え? はい!! はい!! かしこまりました!! ・・・・・では今から会長に打ち合わせしてきます。それではこちらから折り返しご連絡致します!! はい、お願いいたします。」
和樹:「どうしたんですか?」
幸弥:「大変なことになった、今すぐカイチョウに連絡入れないと!!」
和樹:「え? 何があったんですか?!」
幸弥:「話は後!! とにかく今はカイチョウを探さないと…。」
――そこへタイミングよく外からの用事から戻って来たカイチョウが戻って来た…。
カイチョウ:「戻ったぞ!! あーっ、どいつもコイツも本当融通の利かないんだから…。」
幸弥:「カイチョウ!! 愚痴言ってる場合じゃありませんよ、大変なんです!!」
カイチョウ:「人が戻った早々なんだ騒々しい!!」
幸弥:「それが先程JBCから連絡があって、Lemon BOXINGで望月さんの対戦相手だったサーシャ・ガフロフ選手が外でのロードワーク中に事故に遭って入院を余儀なくされて…。」
カイチョウ:「なんだって?!」
幸弥:「幸い骨折はしなかったんですが、左足を負傷して…、もしかして捻挫や靭帯損傷などの可能性もあって医者からの診断で全治1ヶ月はかかるとのことで…。」
カイチョウ:「わかった今すぐJBCに繋いでくれ、俺が今からすぐにでも対戦相手を探す!! …ったく試合まであと2週間も無いのに…。」
――こうして勝は幸弥に替わりJBCに折り返しの電話をして、一生懸命朔の対戦相手を探した、そして…。
カイチョウ:「見つかったぞ!!」
幸弥:「本当ですか?!」
和樹:「良かったです?!」
幸弥:「それで、相手は?」
カイチョウ:「まぁ落ち着け!! 相手はWBUウェルター級世界ランク11位のメキシコのエリック・ロドリゲス選手だ!!」
和樹:「メキシコの?」
カイチョウ:「ああ…、1992年2月29日生まれの32歳。フルネームはエリック・ヒロシ・ロドリゲス・サカモト、日本名は坂本啓。父親がメキシコ人で母親が日本人だ…。」
幸弥:「へぇ、でもそれって誰かと似てますよね…。」
カイチョウ:「ああ、俺も思ったそれ…。戦績は13戦11勝(6KO)1敗1引分だ…。」
幸弥:「まさにうってつけの相手と言えますね。でも一先ず対戦相手が決まって良かったです。」
カイチョウ:「ああ…、ひとまず朔には言っておかないとな、俺ちょっと部屋で着替えてくるから、あとはよろしく!!」
幸弥:「あ、ちょっとカイチョウ!! …ったく!! あとでオンラインで記者会見あるから忘れないで下さいね!!」
カイチョウ:「わかってるって、その辺はちゃんとやる…。」
――こうしてカイチョウはジムの更衣室へ戻って行ってしまった、そして…。その日はジム内ににてトレーニング中だった朔、試合まであと2週間を切り、そのテンションは最高潮へ向かっていた…。
カイチョウ:「朔?! ちょっと良いか!!」
朔:「カイチョウ、なんですか?!」
カイチョウ:「さっきJBCから電話があってな、お前の対戦相手だったサーシャ・ガフロフ選手が練習中に事故に遭って、全治1ヶ月と診断されて、お前の試合が中止となった!!」
朔:「はっ?! なんすかそれ、せっかく今最高潮になってるのに水を差すようなことになってるんすか?!」
――いきなりの試合中止にテンションが下がった朔と、たまたま近くでトレーニングしていた直哉もその動揺を隠せない…。
直哉:「なんだってそんなことに?! 試合中にケガしてそれで試合が1ヶ月延期になったのに、今度は事故!? それってふざけてるんですか!!」
カイチョウ:「言いたい気持ちはわかるが落ち着け!! だがこうなった以上は仕方ない!! JBCでは試合が決まっている相手にもしものことがあった時にその代替の選手を用意しているんだ!!」
朔/直哉:「え?」
カイチョウ:「新しい対戦相手が決まった!! WBUウェルター級11位のメキシコのエリック・ロドリゲス選手だ!!」
朔:「本当ですか!?」
カイチョウ:「ああ、要は対戦相手は変わるが試合自体は中止せず、そのままやって行くことになったぞ!!」
直哉:「だがそうなると作戦の立て直しをする必要があるな!!」
朔:「心配するな直哉、試合まで2週間切ってるが、気持ち切替出来てるぜ!!」
直哉:「まったく…、能天気な奴だ…。」
朔:「まぁそう言うなって!! でもファンの皆とか当日試合を見に来てくれる観客の人達には申し訳ないな本当に…。」
直哉:「確かにな、せっかくのクリスマスイヴ、しかも平日だから有休取ったり飛行機や新幹線のチケット取ったり…。」
朔:「それ全部キャンセルしないと行けなくなったりな…。だからその人達の分までちゃんとしたパフォーマンス魅せないとな!!」
――その日の夜、勝は改めて今度はオンライン上ではあるが記者会見を行い、ガフロフが事故により試合を辞退したことと合わせ同時に朔の対戦相手が変更になったことを正式に発表した…。そして朔と直哉の自宅では…。
直哉:「無事生配信での会見は終えたみたいだな…。」
朔:「こんな緊急事態でもそんな状況で新しい対戦相手見つけてくれたカイチョウとマネージャーたちには本当に感謝だな!!」
直哉:「ああ、そうだな…。」
朔:「それと直哉…。」
直哉:「なんだ?!」
朔:「これ、返すよ!!(第391話参照(→illust/124811584))」
直哉:「え?」
朔:「ほら今回対戦相手が変更になったことで、俺が赤コーナーになったから、事実上の防衛戦になっちまったし…。だから俺自分のボクシングトランクスで勝負するよ!!」
直哉:「そうか…、やっぱお前にはその赤と白のボクシングトランクスと赤のボクシンググローブがよく似合う…。」
朔:「ありがとうな、直哉!!」
直哉:「え?」
朔:「やっぱ直哉は俺の最大のライバルで親友だ!!」
直哉:「そうだな、俺に少しお調子者の部分もあるが、俺にとっての最大のライバルで大切な相棒だ!!」
朔:「ああ…。」
――こうして2人は改めて親友と相棒とライバルの絆がより深まったことを確かめ合うのだった…。対戦相手が変更となった朔、試合まであと2週間を切り、どのような試合を魅せるのだろうか?
(つづく)
SE:📞(電話が鳴る音)
幸弥:「お電話ありがとうございます!! シェリージム・キャスティングマネージャー、石原が承ります。・・・・・、え? はい!! はい!! かしこまりました!! ・・・・・では今から会長に打ち合わせしてきます。それではこちらから折り返しご連絡致します!! はい、お願いいたします。」
和樹:「どうしたんですか?」
幸弥:「大変なことになった、今すぐカイチョウに連絡入れないと!!」
和樹:「え? 何があったんですか?!」
幸弥:「話は後!! とにかく今はカイチョウを探さないと…。」
――そこへタイミングよく外からの用事から戻って来たカイチョウが戻って来た…。
カイチョウ:「戻ったぞ!! あーっ、どいつもコイツも本当融通の利かないんだから…。」
幸弥:「カイチョウ!! 愚痴言ってる場合じゃありませんよ、大変なんです!!」
カイチョウ:「人が戻った早々なんだ騒々しい!!」
幸弥:「それが先程JBCから連絡があって、Lemon BOXINGで望月さんの対戦相手だったサーシャ・ガフロフ選手が外でのロードワーク中に事故に遭って入院を余儀なくされて…。」
カイチョウ:「なんだって?!」
幸弥:「幸い骨折はしなかったんですが、左足を負傷して…、もしかして捻挫や靭帯損傷などの可能性もあって医者からの診断で全治1ヶ月はかかるとのことで…。」
カイチョウ:「わかった今すぐJBCに繋いでくれ、俺が今からすぐにでも対戦相手を探す!! …ったく試合まであと2週間も無いのに…。」
――こうして勝は幸弥に替わりJBCに折り返しの電話をして、一生懸命朔の対戦相手を探した、そして…。
カイチョウ:「見つかったぞ!!」
幸弥:「本当ですか?!」
和樹:「良かったです?!」
幸弥:「それで、相手は?」
カイチョウ:「まぁ落ち着け!! 相手はWBUウェルター級世界ランク11位のメキシコのエリック・ロドリゲス選手だ!!」
和樹:「メキシコの?」
カイチョウ:「ああ…、1992年2月29日生まれの32歳。フルネームはエリック・ヒロシ・ロドリゲス・サカモト、日本名は坂本啓。父親がメキシコ人で母親が日本人だ…。」
幸弥:「へぇ、でもそれって誰かと似てますよね…。」
カイチョウ:「ああ、俺も思ったそれ…。戦績は13戦11勝(6KO)1敗1引分だ…。」
幸弥:「まさにうってつけの相手と言えますね。でも一先ず対戦相手が決まって良かったです。」
カイチョウ:「ああ…、ひとまず朔には言っておかないとな、俺ちょっと部屋で着替えてくるから、あとはよろしく!!」
幸弥:「あ、ちょっとカイチョウ!! …ったく!! あとでオンラインで記者会見あるから忘れないで下さいね!!」
カイチョウ:「わかってるって、その辺はちゃんとやる…。」
――こうしてカイチョウはジムの更衣室へ戻って行ってしまった、そして…。その日はジム内ににてトレーニング中だった朔、試合まであと2週間を切り、そのテンションは最高潮へ向かっていた…。
カイチョウ:「朔?! ちょっと良いか!!」
朔:「カイチョウ、なんですか?!」
カイチョウ:「さっきJBCから電話があってな、お前の対戦相手だったサーシャ・ガフロフ選手が練習中に事故に遭って、全治1ヶ月と診断されて、お前の試合が中止となった!!」
朔:「はっ?! なんすかそれ、せっかく今最高潮になってるのに水を差すようなことになってるんすか?!」
――いきなりの試合中止にテンションが下がった朔と、たまたま近くでトレーニングしていた直哉もその動揺を隠せない…。
直哉:「なんだってそんなことに?! 試合中にケガしてそれで試合が1ヶ月延期になったのに、今度は事故!? それってふざけてるんですか!!」
カイチョウ:「言いたい気持ちはわかるが落ち着け!! だがこうなった以上は仕方ない!! JBCでは試合が決まっている相手にもしものことがあった時にその代替の選手を用意しているんだ!!」
朔/直哉:「え?」
カイチョウ:「新しい対戦相手が決まった!! WBUウェルター級11位のメキシコのエリック・ロドリゲス選手だ!!」
朔:「本当ですか!?」
カイチョウ:「ああ、要は対戦相手は変わるが試合自体は中止せず、そのままやって行くことになったぞ!!」
直哉:「だがそうなると作戦の立て直しをする必要があるな!!」
朔:「心配するな直哉、試合まで2週間切ってるが、気持ち切替出来てるぜ!!」
直哉:「まったく…、能天気な奴だ…。」
朔:「まぁそう言うなって!! でもファンの皆とか当日試合を見に来てくれる観客の人達には申し訳ないな本当に…。」
直哉:「確かにな、せっかくのクリスマスイヴ、しかも平日だから有休取ったり飛行機や新幹線のチケット取ったり…。」
朔:「それ全部キャンセルしないと行けなくなったりな…。だからその人達の分までちゃんとしたパフォーマンス魅せないとな!!」
――その日の夜、勝は改めて今度はオンライン上ではあるが記者会見を行い、ガフロフが事故により試合を辞退したことと合わせ同時に朔の対戦相手が変更になったことを正式に発表した…。そして朔と直哉の自宅では…。
直哉:「無事生配信での会見は終えたみたいだな…。」
朔:「こんな緊急事態でもそんな状況で新しい対戦相手見つけてくれたカイチョウとマネージャーたちには本当に感謝だな!!」
直哉:「ああ、そうだな…。」
朔:「それと直哉…。」
直哉:「なんだ?!」
朔:「これ、返すよ!!(第391話参照(→illust/124811584))」
直哉:「え?」
朔:「ほら今回対戦相手が変更になったことで、俺が赤コーナーになったから、事実上の防衛戦になっちまったし…。だから俺自分のボクシングトランクスで勝負するよ!!」
直哉:「そうか…、やっぱお前にはその赤と白のボクシングトランクスと赤のボクシンググローブがよく似合う…。」
朔:「ありがとうな、直哉!!」
直哉:「え?」
朔:「やっぱ直哉は俺の最大のライバルで親友だ!!」
直哉:「そうだな、俺に少しお調子者の部分もあるが、俺にとっての最大のライバルで大切な相棒だ!!」
朔:「ああ…。」
――こうして2人は改めて親友と相棒とライバルの絆がより深まったことを確かめ合うのだった…。対戦相手が変更となった朔、試合まであと2週間を切り、どのような試合を魅せるのだろうか?
(つづく)
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2025-01-12 19:01
Comments (2)
同じく日系メキシコ人のEnriqueだな…。
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