3月の終わりに

カレー屋「タイちゃんギンちゃん」にて…。
　
　
　
　
「タイリクオオカミ、いよいよ明日からね……」
「ああ、早急に対応してくれたビーバーとプレーリーには感謝しかないよ……」
「そういえばスタッフ面接も全員分やってくれたのよね？期待できそうな子見つかった？？」
「うむ、その辺はバッチリさ！」
「それでこそ店長ね！どんな子が来るのかしら～？？」
「……あっ！ギンギツネに一つ報告があるんだ」
「んっ？なぁに？」
「先日した“タイちゃん担当”と“ギンちゃん担当”の話を覚えているかい？」
「ええ、確かにしたわね……」
　
　
　
「結論から言わせてもらうと、スタッフ全員“タイちゃん担当”になってしまったんだ」
　
　
　
「……えっ！？全員……？？なんで……？？」
「具体的に説明するとそうだね……応募してくれた子達の中から“ギンちゃん”にあたる子は一人も見つからなかった、と言った方がいいのかな……」
「えっ……？一人も……？」
「一人一人ちゃんと確認したんだけど……非常に申し訳なかったね」
「そ、そうよね……名前に“ギン”って入ってる子、ペンギン以外で他に居ないものね……」
「……でも安心して聞いてほしい、私考えたんだ」
「何かいい方法あるの……？」
「雇用したスタッフの誰かに“ギンちゃん担当”をやってもらおうかと思ってるんだよ」
「ほ、本当に……？？」
「流石にそうしないと、いざオープンした時に色々突っ込まれるよね……私なりの手段ってところかな」
「そうしても色々突っ込まれそうな気がしなくもないけど……了解！安心したわ！」
「ギンギツネ、分かったかい？何事も前向きに考えよう！」
「“2号店のギンちゃん”って肩書きがあれば、結局どの子でもいけそうな気がするわね！」
「開店して1ヶ月くらいは基本的に2号店へ教育行く機会が増えると思うから、その間はギンギツネが店長を代理でやってもらっていいかい？」
「ええ、その辺はバッチリよ！」
「じゃあ頼んだよ！他に何か質問はあるかい？」
「あっ！結局のところ、スタッフって誰がいるの？」
「……よし、せっかくだから話そうか」
「話して！聞きたいわ！」
　
　
　
「ギンギツネの予想は見事に的中、トラ系のフレンズを3人雇用したよ」
　
　
　
「あっ、やっぱり！？」
「ちなみに店長は、以前から私が目を付けていた“あの彼女”が担当してくれる事になったんだ」
「そういえば言ってたわね……お、教えてもらっていいかしら？？」
「ギンギツネも気になるよね、教えようか」
「ものっすごく気になるわ……」
「店長はあのマルタタイガーだよ」