幸運EX+++バディによる哭倉村RTA㊷
ロケットランチャーの着弾により、穴蔵の崩壊が本格的に始まった。
パラパラと小石交じりの砂が降り、壁と天井に亀裂が入る。
炎の魔人が放った業火も衰えることを知らず、酸素を糧に燃え続けていた。
(放った本人は心なしか、申し訳なさそうに肩を下ろしている)
趣味の悪い御殿の端に視線を向けると、時麿の姿が見えた。
生前の姿と異なるのは、彼の体が徐々に消えていることだけ。
時麿によって復活した幽霊族たちも、同じく蜃気楼のように姿が揺らめいている。
血桜?によって奪われた幽霊族の血は、時麿がその魂と引き換えに彼らへ返上された。
しかし血が返上されただけでは、長きに亘って甚振られた体が癒えるわけではない。そのため、その復活は短時間だけだったようだ。
血が時麿によって返上されたのは、巨大化した時貞が、水木やゲゲ郎たちに拳を振り下ろした直後のことである。
あの瞬間、時貞は己の勝利を確信し油断していたのだ。
絶好の機会を逃さないために、霊力をもつ者にさえ感知されないように時麿は潜伏していたらしい。
いつから潜んでいたのかは分からないが、沙代は何となく、ずっと時麿は自分の傍にいてくれた気がした。
ずっと彼に守られていたと思う。
一人で行動している間、裏鬼道衆に襲われることは一度もなく、狂骨に襲われたときは必ず誰かが助けに来てくれた。
あまりにも都合がよく、偶然とは思えない。
ふと時麿と目が合う。彼は静かに微笑むと、一言も発さずに跡形もなく消えていった。
(時麿おじ様……皆を守って下さって、ありがとうございます……)
それが合図だったのか、怪しい輝きを放つ血桜?は、再び煌びやかに飾り付けられたモミの木に戻る。
目が眩むような蛍光色は、感傷に浸らせてはくれない。
(もたもたしていられませんね。水木様たちと一緒に、ここから逃げなくては! それに時ちゃん、庚子おば様たちも……!)
大小様々な瓦礫が落ちてくる中、ひとまず最も近くにいる水木と幽霊族夫妻の元へ、沙代は駆け足で近づく。
数少ない地上への出入り口が塞がる前に、穴蔵にいる全員を誘導しなければならない。
「水木さ……あ……」
沙代の声に反応した水木とゲゲ郎が振り向く。
その際にゲゲ郎に横抱きにされた女性を見て、
(お姫様抱っこ……少し羨ましい……)
沙代は花も恥じらう年頃の乙女である。こんな非常事態ではあるが、条件反射のごとく胸がときめいてしまう。
当然内心に留めるだけの分別はあるが。
(……私も水木様にお姫様抱っこしてほしい……この危険な状況を脱してから……!)
その切なる羨望が天に届いたのか――沙代の脳天に瓦礫が直撃した。
「沙代さん!!」
意識が薄れる中、水木とゲゲ郎が驚愕に目を見開いているのが見えた。
====================
※(瓦礫が脳天直撃に関しては)笑うところ。
沙代さんにギャグをさせられるほど(比較的)穏やかな世界線(`・ω・´)
①(illust/116394129)で水木に担がれているので、その辻褄を合わせるためには強制的に気絶させるしかない。
怪力設定だし脳震盪くらいで済む。平気平気。
時麿氏が現れた場面もこのうち描きますね。キャプションでの説明には限界がある。
流れとしては、こちら(illust/118107894)の後。
例によって途中ネタが挟まったり、キャプションで補完する場合があります。
時ちゃんは、このあと回収される流れ。
パラパラと小石交じりの砂が降り、壁と天井に亀裂が入る。
炎の魔人が放った業火も衰えることを知らず、酸素を糧に燃え続けていた。
(放った本人は心なしか、申し訳なさそうに肩を下ろしている)
趣味の悪い御殿の端に視線を向けると、時麿の姿が見えた。
生前の姿と異なるのは、彼の体が徐々に消えていることだけ。
時麿によって復活した幽霊族たちも、同じく蜃気楼のように姿が揺らめいている。
血桜?によって奪われた幽霊族の血は、時麿がその魂と引き換えに彼らへ返上された。
しかし血が返上されただけでは、長きに亘って甚振られた体が癒えるわけではない。そのため、その復活は短時間だけだったようだ。
血が時麿によって返上されたのは、巨大化した時貞が、水木やゲゲ郎たちに拳を振り下ろした直後のことである。
あの瞬間、時貞は己の勝利を確信し油断していたのだ。
絶好の機会を逃さないために、霊力をもつ者にさえ感知されないように時麿は潜伏していたらしい。
いつから潜んでいたのかは分からないが、沙代は何となく、ずっと時麿は自分の傍にいてくれた気がした。
ずっと彼に守られていたと思う。
一人で行動している間、裏鬼道衆に襲われることは一度もなく、狂骨に襲われたときは必ず誰かが助けに来てくれた。
あまりにも都合がよく、偶然とは思えない。
ふと時麿と目が合う。彼は静かに微笑むと、一言も発さずに跡形もなく消えていった。
(時麿おじ様……皆を守って下さって、ありがとうございます……)
それが合図だったのか、怪しい輝きを放つ血桜?は、再び煌びやかに飾り付けられたモミの木に戻る。
目が眩むような蛍光色は、感傷に浸らせてはくれない。
(もたもたしていられませんね。水木様たちと一緒に、ここから逃げなくては! それに時ちゃん、庚子おば様たちも……!)
大小様々な瓦礫が落ちてくる中、ひとまず最も近くにいる水木と幽霊族夫妻の元へ、沙代は駆け足で近づく。
数少ない地上への出入り口が塞がる前に、穴蔵にいる全員を誘導しなければならない。
「水木さ……あ……」
沙代の声に反応した水木とゲゲ郎が振り向く。
その際にゲゲ郎に横抱きにされた女性を見て、
(お姫様抱っこ……少し羨ましい……)
沙代は花も恥じらう年頃の乙女である。こんな非常事態ではあるが、条件反射のごとく胸がときめいてしまう。
当然内心に留めるだけの分別はあるが。
(……私も水木様にお姫様抱っこしてほしい……この危険な状況を脱してから……!)
その切なる羨望が天に届いたのか――沙代の脳天に瓦礫が直撃した。
「沙代さん!!」
意識が薄れる中、水木とゲゲ郎が驚愕に目を見開いているのが見えた。
====================
※(瓦礫が脳天直撃に関しては)笑うところ。
沙代さんにギャグをさせられるほど(比較的)穏やかな世界線(`・ω・´)
①(illust/116394129)で水木に担がれているので、その辻褄を合わせるためには強制的に気絶させるしかない。
怪力設定だし脳震盪くらいで済む。平気平気。
時麿氏が現れた場面もこのうち描きますね。キャプションでの説明には限界がある。
流れとしては、こちら(illust/118107894)の後。
例によって途中ネタが挟まったり、キャプションで補完する場合があります。
時ちゃんは、このあと回収される流れ。
鬼太郎誕生ゲゲゲの謎
Kitarou Tanjou: Gegege no Nazo
ゲゲゲの謎
The Mystery of Gegege
ゲゲ郎
Gegerou
水木
Mizuki
龍賀沙代
ryuugasayo
ゲゲゲの鬼太郎500users入り
gegegenokitarougohyakuyu-za-zuiri
幸運EX+++バディによる哭倉村RTA
naguramuraa-ruthi-e-
575
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26469
2024-04-27 01:31
Comments (43)
いやタイミング!!
コレをかすり傷と呼べる耐久性がすげーよしかのちゃんと尖ったところがクリーンヒットしてる
水「さ、沙代さーーん!!!」
View Replies沙代さーーん!?と思わず絶叫してしまいました…だって頭にぶつかった瓦礫、尖ってんだもの… 切なる羨望が天に届いたら強制気絶でお米様抱っこ…ちょっと天の神様、力技過ぎるし微妙にミスってるんですけど、まさか安価してませんよね??
View Repliesゲゲ郎「この後ワシと水木で村を出て、背後で爆発が起こるとたいまぁすとっぷじゃ」 水木「運営さん、よろしくお願いしまーす」
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