幸運EX+++バディによる哭倉村RTA55
※捏造ご先祖様出ます。大丈夫な方だけどうぞ。
↓
↓
「ゲゲ郎、お前不安になるといつも毛玉になるのか? 雨の日は特に大変そうだな」
「いつもではないわ……」
そう否定はするが、まだ完全には毛玉を解いていないあたり、この状態が落ち着くのだろう。
水木とて鬼ではないため、無理に毛玉から引きずり出すようなことはしなかった。
泣きじゃくっていたゲゲ郎が正気に戻ったあたりで、先祖も気が済んだらしい。今は少し温(ぬる)くなった茶をゆったりと飲んでいる。
「今日は色んなことが重なったのじゃ。儂とて何百年と生きているが、妻のお産に立ち会うのは初めてじゃ。心配ではあるが……それに関しては少しだけ、心に余裕が出来た。偏(ひとえ)に水木とご先祖様のお陰じゃ。ただ……」
「ただ?」
「……仕事をしても、すぐにクビになってしまうことに悩んでおった。もう100回は軽く超えている」
「そんなに!? その……本気、なんだな…」
昔はゲゲ郎の妻が働き、彼は家事をしていたと聞いていた。そのため、水木は素で驚いてしまう。
厭世的ともいえるゲゲ郎が、まさか人間社会に交じって働こうとしていたとは……。
しかし考えてみれば不自然なことではないのだろう。働いていた奥方が働けない今、ゲゲ郎が働かなければ収入が無いのだから。
ゲゲ郎は大きな目を少し伏せながら、雨に消え入りそうなくらい弱弱しい声で語りだす。
「せめて我が子が歩けるようになるまでは、と思っておる。儂とて家族にひもじい思いをさせとうない……しかし実際のところ、今は……」
「今は?」
暫し口ごもると、観念したように呟く。
「……ご先祖様に頼りっきりじゃあ……古寺の改装も、生活費も……! 儂が今まで稼いだ額は、子供の駄賃を寄せ集めた程度。ひと月と生活するのは難しい」
「ええ……それはなかなか厳しいな……いや、俺も人のこと言えねえか……」
「というと?」
水木は非常に気まずそうに表情を歪めると、深く溜息を吐きながら答える。
「……半年も休んだから、その間に会社クビになってた……早く次の仕事見つけて、お前んとこのご先祖様に返済しねえと……」
「なんと!? お主も無職か! 儂とお揃いではないか!」
ゲゲ郎は信じられないものを見るような目で、水木を見る。驚きすぎたせいか、毛玉が少し解けていた。
「こんな絶望的なお揃いがあって堪るかチクショウ! というか何でちょっと元気になってんだよ!」
「いや、じゃって友と何かお揃いになるというのが初めてでのう……」
「おいおいだからって――」
『煩いよお前たち!!』
室内から産婆に怒鳴られ、二人は黙る。次騒いだら〇す――そのくらいの気迫だった。
「流石に騒ぎすぎたな……」
「水木と話すのは久しゅうて、楽しゅうて……儂もついはしゃぎすぎてしまった……」
「何を小っ恥ずかしいこと言ってんだ……」
そんな二人の様子をお茶をすすりながら眺めていた先祖は、笑いを堪えながら会話に参加する。
「色々と挑戦してみればいい。子孫はのんびり屋だから、時間に縛られないような仕事がいいかもしれねえな……せっかく長生きしてるんだ。その知識と視点を活かして、何か読み物とか書いてみるのも向いてそうだ。外に出て、人と接するだけが仕事じゃねえさ」
「儂に、出来るでしょうか?」
「子孫なら出来る。それに100回クビになったんじゃなくて、100回も就職できたって考えろ。何気に凄いことだからな?」
「は、はい……!」
ぽんっと肩を叩かれながらも、ゲゲ郎は少し嬉しそうだ。
そのまま子孫であるゲゲ郎だけでなく、水木にも続けて助言をする。
「水木殿は営業で培った臨機応変さもあれば、度胸も体力もある。おまけにまだまだ若い。引く手数多だろうから、まずはしっかり体を戻すこと。お前さんは真面目の男だから、焦る気持ちも、生活費の返済が気になるのも分かるが……体は資本だから、な?」
「はい……」
穏やかなのに有無を言わせぬ物言いに、水木は反論する気も起きなかった。
つい先ほど生還したため、そもそもぐうの音も出なかったが。
「それに、万が一既存の仕事で合うものが見つからなかったら、いっそのこと二人で何か始めればいいじゃねえか。互いの本領を発揮できるものをさ」
====================
やはりというか水木は会社クビになってましたね!
それにしてもご先祖様は何の仕事をしているんでしょうね…気になりますね…
素顔と一緒でシュレーディンガーのご先祖様…
人間社会では『田中一郎』と名乗っているとかいないとか。
余談ですが、誕生日おめでとう自分(`・ω・´)
↓
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「ゲゲ郎、お前不安になるといつも毛玉になるのか? 雨の日は特に大変そうだな」
「いつもではないわ……」
そう否定はするが、まだ完全には毛玉を解いていないあたり、この状態が落ち着くのだろう。
水木とて鬼ではないため、無理に毛玉から引きずり出すようなことはしなかった。
泣きじゃくっていたゲゲ郎が正気に戻ったあたりで、先祖も気が済んだらしい。今は少し温(ぬる)くなった茶をゆったりと飲んでいる。
「今日は色んなことが重なったのじゃ。儂とて何百年と生きているが、妻のお産に立ち会うのは初めてじゃ。心配ではあるが……それに関しては少しだけ、心に余裕が出来た。偏(ひとえ)に水木とご先祖様のお陰じゃ。ただ……」
「ただ?」
「……仕事をしても、すぐにクビになってしまうことに悩んでおった。もう100回は軽く超えている」
「そんなに!? その……本気、なんだな…」
昔はゲゲ郎の妻が働き、彼は家事をしていたと聞いていた。そのため、水木は素で驚いてしまう。
厭世的ともいえるゲゲ郎が、まさか人間社会に交じって働こうとしていたとは……。
しかし考えてみれば不自然なことではないのだろう。働いていた奥方が働けない今、ゲゲ郎が働かなければ収入が無いのだから。
ゲゲ郎は大きな目を少し伏せながら、雨に消え入りそうなくらい弱弱しい声で語りだす。
「せめて我が子が歩けるようになるまでは、と思っておる。儂とて家族にひもじい思いをさせとうない……しかし実際のところ、今は……」
「今は?」
暫し口ごもると、観念したように呟く。
「……ご先祖様に頼りっきりじゃあ……古寺の改装も、生活費も……! 儂が今まで稼いだ額は、子供の駄賃を寄せ集めた程度。ひと月と生活するのは難しい」
「ええ……それはなかなか厳しいな……いや、俺も人のこと言えねえか……」
「というと?」
水木は非常に気まずそうに表情を歪めると、深く溜息を吐きながら答える。
「……半年も休んだから、その間に会社クビになってた……早く次の仕事見つけて、お前んとこのご先祖様に返済しねえと……」
「なんと!? お主も無職か! 儂とお揃いではないか!」
ゲゲ郎は信じられないものを見るような目で、水木を見る。驚きすぎたせいか、毛玉が少し解けていた。
「こんな絶望的なお揃いがあって堪るかチクショウ! というか何でちょっと元気になってんだよ!」
「いや、じゃって友と何かお揃いになるというのが初めてでのう……」
「おいおいだからって――」
『煩いよお前たち!!』
室内から産婆に怒鳴られ、二人は黙る。次騒いだら〇す――そのくらいの気迫だった。
「流石に騒ぎすぎたな……」
「水木と話すのは久しゅうて、楽しゅうて……儂もついはしゃぎすぎてしまった……」
「何を小っ恥ずかしいこと言ってんだ……」
そんな二人の様子をお茶をすすりながら眺めていた先祖は、笑いを堪えながら会話に参加する。
「色々と挑戦してみればいい。子孫はのんびり屋だから、時間に縛られないような仕事がいいかもしれねえな……せっかく長生きしてるんだ。その知識と視点を活かして、何か読み物とか書いてみるのも向いてそうだ。外に出て、人と接するだけが仕事じゃねえさ」
「儂に、出来るでしょうか?」
「子孫なら出来る。それに100回クビになったんじゃなくて、100回も就職できたって考えろ。何気に凄いことだからな?」
「は、はい……!」
ぽんっと肩を叩かれながらも、ゲゲ郎は少し嬉しそうだ。
そのまま子孫であるゲゲ郎だけでなく、水木にも続けて助言をする。
「水木殿は営業で培った臨機応変さもあれば、度胸も体力もある。おまけにまだまだ若い。引く手数多だろうから、まずはしっかり体を戻すこと。お前さんは真面目の男だから、焦る気持ちも、生活費の返済が気になるのも分かるが……体は資本だから、な?」
「はい……」
穏やかなのに有無を言わせぬ物言いに、水木は反論する気も起きなかった。
つい先ほど生還したため、そもそもぐうの音も出なかったが。
「それに、万が一既存の仕事で合うものが見つからなかったら、いっそのこと二人で何か始めればいいじゃねえか。互いの本領を発揮できるものをさ」
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やはりというか水木は会社クビになってましたね!
それにしてもご先祖様は何の仕事をしているんでしょうね…気になりますね…
素顔と一緒でシュレーディンガーのご先祖様…
人間社会では『田中一郎』と名乗っているとかいないとか。
余談ですが、誕生日おめでとう自分(`・ω・´)
鬼太郎誕生ゲゲゲの謎
Kitarou Tanjou: Gegege no Nazo
ゲゲゲの謎
The Mystery of Gegege
ゲゲ郎
Gegerou
水木
Mizuki
髪の毛鞠
破れ鍋に綴じ蓋
ゲゲゲの鬼太郎500users入り
gegegenokitarougohyakuyu-za-zuiri
幸運EX+++バディによる哭倉村RTA
naguramuraa-ruthi-e-
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778
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2024-05-14 02:20
Comments (41)
お誕生日おめでとうございます😊 素敵な作品ご馳走様ですm(_ _)m
毛玉と化してる親父殿かわいいです(⋈◍>◡<◍)。
View Repliesお誕生日おめでとうございます! ご先祖様がいてくれると、ふたりが少し幼く感じて可愛らしいですし、安心感がすごいですね。
View Replies出張した社員が事故って入院、意識不明で半年…労災できたのが1947年(昭和22年)。 ゲ謎は昭和31年だから…水木さん訴えたら勝てるぞーーー!!!!
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