幸運EX+++バディによる哭倉村RTA58

ゲゲ郎は込み上げる愛おしさを抑えきれず、部屋に飛び込み、足をもつれさせ盛大に転んでしまった。
その様子を見た赤子が、おかしそうにきゃらきゃらと笑う。
ゲゲ郎は即座に起き上がると、慌ただしく四足歩行で妻と子の元に向かった。
改めて愛妻と生まれたばかりの我が子を視界に入れると、ゲゲ郎は感極まり、ボロボロと大粒の涙を流す。

「なんと愛い子じゃ……! お前、ありがとう、ありがとう……! 大変じゃったなあ……!!」
「ふふっ、どういたしまして。……さあ、貴方。抱いてあげて下さいな」

妻は重い動作で起き上がると、赤子を抱えてゲゲ郎に差し出した。慌ててゲゲ郎は妻の体を支える。

「む、無理して起き上がるでない。大仕事を終えたばかりじゃろう」
「このくらい大丈夫ですよ、さあ」
「う、うむ……」

ゲゲ郎は恐る恐る赤子を受け取ると、潰さないように、されど落とさないよう細心の注意を払い、両腕で抱きかかえる。
予定よりおよそ二カ月早く生まれた我が子は、想像していたよりずっと軽く、柔らかで、そして温かい。
まるで春の日向を抱いているかのようだ。
じっとゲゲ郎は我が子を見つめる。顔の造形はゲゲ郎寄りだが、笑うと優しく緩む目元や、柔らかな雰囲気と髪質は妻そっくりである。
更に目頭が、じん、と熱を帯びた。ゲゲ郎は泣きじゃくりながら妻の肩に腕を回し、我が子ごと抱きしめる。

「ありがとう、ありがとう……!」
「本当に泣き虫ね。この子が笑ってるわよ」
「きゃははっ」
「尊くて、嬉しくて、愛おしくて、どうにも涙が止まらんのじゃ……! ああ、この子が我が倅……なんと愛らしい。お前、よく頑張ったのう……こんなに元気で可愛らしい子を生んでくれて、本当にありがとう……!」」

長い長い孤独の末に、運命と出会い、そして新たな命が生まれた。
不思議と今までに味わった苦しみが、些細なことに思えてしまうほど、心が温かさで満ち溢れる。
ゲゲ郎は今この瞬間、間違いなく、自分は世界で最も幸せであると確信した。

いつの間にか雷が鳴り止み、夜が明けた。
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たしかこんな感じでしたよね(`・ω・´)?
これを描くためにここ3カ月近くシリーズ続けたと言っても過言ではない。
そろそろエンドロール編入るかー!
その後のバディーやご先祖様、生き残った龍賀一族描く。

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2024-05-17 01:23

 湶リク


Comments (52)

れいん💧 2024-08-10 13:49

やったぁこれが公式だぁ!!

桜結び 2024-05-23 10:00

Syura 2024-05-21 00:34

なるほどこれが本編かきっとそうだそうに違いないそうであってくれ

黒兎 2024-05-19 01:02

神谷ケンシロウ 2024-05-18 16:51

村の封印で弱ってミイラ男にもならず、目玉は落ちないゲゲ朗、まあこれはこれとして本体と目玉との分離ができそうではある(自分の意識が繋がった偵察ドローンみたく)

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